利根商業高等学校野球部 高橋晃生 主将
「野球にかける思いと、自分たちはこの大会を目標にやってきたので、そういう感謝の気持ちをしっかり伝えたいと思いました」 7月6日に開幕した夏の高校野球群馬大会開会式で、自分の思いを選手宣誓の中に込めた利根商野球部の主将・高橋晃生君(3年)。豊田義夫前監督が就任した2016年にベスト8入りを果たしたのを見て、「自分も豊田先生に教えてもらいたい」と利根商に進学を決めた。さらに、利根商から大学、本田技研を経てオリックス入りし、現在はジャイアンツでブルペンキャッチャーを務める伯父・高橋信夫氏の存在も大きかった。
今年4月、桐生第一を甲子園優勝に導いた福田治男監督を新指揮官に迎え、「自分がもっとチームを引っ張っていかなきゃいけない」とより一層、主将としての責任感を強くした。
福田監督の下、チームは守備を強化。ノックの際に一球一球プレーを止めて、基礎から鍛え直した成果が今大会で披露される。高橋も「一球に対する意識が一番変わった」とチームの成長を口にする。目指すのは「北毛初の甲子園出場」。これまで遠い目標であった夢がグンと近くなったようだ。
母と姉、弟の4人家族。母が母が家計を支えており、一時は体育教師になって野球部顧問になる夢を諦め、就職を考えていた。しかし、大学進学を希望していた姉が、「弟に野球を続けさせたい」と自ら就職を選び、母も「自分の夢があるなら、その夢を全力で応援するから」と、息子の夢を後押しした。選手宣誓の中の「今こうして大好きな野球が続けられているのは、家族の支えがあるからです」には、家族への感謝の気持ちが込められていた。
今月9日の1回戦で、嬬恋に4対3で勝利。15日の2回戦では、伊勢崎清明との戦いに挑む。