電話1本で介護をヘルプ

介護SOSサービス 3年間で利用件数倍増 (高崎)

ほんの少し誰かが手を差し伸べてくれるだけで心が和むことがある。高崎市が介護SOSサービスを開始して3年。24時間365日、電話1本で訪問や宿泊サービスを利用できる全国で初の試みは市民に浸透し、利用件数は初年度の倍以上と好評だ。   (飯塚ゆり子)

全国初の制度で、市内在住で見守りや介護が必要な65歳以上が対象。緊急時に対応できるよう事前登録不要で介護認定を受けてなくても構わない。家族や介護者の負担軽減、介護による離職防止を目的に富岡賢治市長が3年前に発案したという。
訪問は資格を持ったヘルパーが出向き、食事や排せつの介助、見守り、食事の準備、買い物などを、宿泊は市内2カ所で食事や入浴などのサービスを提供。介護保険と同等のサービスが訪問は1時間250円で月5回まで、宿泊は1泊2食付で2000円(送迎付3000円)で受けられる。冠婚葬祭や急な用事はもちろん、リフレッシュのために利用できる点も喜ばれている。

訪問も宿泊も利用件数は現在、初年度の約2・6倍と年々増加。今年1~5月までで訪問が517件、宿泊が46件と昨年を上回るペースからも、満足度の高さがうかがえる。要請は主に家族からで、見守りや転倒時の手助けの依頼が多い。ヘルパーが入ることで利用者状況を把握し、必要に応じて高齢者あんしんセンターと連携を図って適確な支援に繋げるほか、高齢者が過ごしやすいようアドバイスをするなど被介護者と介護者にとって最適な環境をつくる手助けも行う。市内50代男性は「いざという時に頼れる制度があるのは安心できる」と話す。

今後、予想される利用件数の増加から課題は対応体制。ヘルパーの待機態勢を考慮しつつ、より多くの人が気軽に利用できる体制を整えていくという。

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