自由にのびのび楽しんで!
近年、子どもがのびのび遊べる場所が減っているのを背景に、プレーパーク(冒険遊び場)を地域に作る動きが広がっている。「自分の責任で自由に遊ぶ」をモットーに禁止事項をできる限り無くした遊び場のことで、既製遊具は置かず自然素材や工具などを使って子どもが自ら遊びを生み出していく。常設と不定期開催を含め全国で400以上の団体が活動を展開。県内でプレーパーク作りに取り組む2団体を紹介する。 (林道子)
[太田に冒険遊び場を作る会(太田)]
子育てママが運営
秋晴れの公園に、落ち葉を浴びてはしゃぐ子どもの声が響いた。今月、太田の天神公園で第2回おおた冒険あそび場が開かれ、220人が思い思いの遊びに夢中で取り組んだ。ナイフを使った工作に熱中する晴葵くん(2)を見守っていた母親の松島美穂さん(30)は、「危ないからとやらせたことが無かったが、本当に楽しそう。やりたいことを自由にできる素敵な取り組み」とほほ笑む。
運営するのは、子育て中の母親たちが今春立ち上げた「太田に冒険遊び場を作る会」。亀井麻衣子代表(37)は、5年前にネットで知った神奈川のプレーパークに行き、子どもが生き生き遊ぶ姿に感銘を受けた。「最近の子どもは遊ぶ時間や場所が制限されている。好きなことをやっている子どもを見て、これが本来の姿だと感じた」と、同じ思いを持つ母親たちと今夏、第1回開催にこぎつけた。メンバー12人は、仕事や育児の合間を縫って広報や遊びの素材調達など準備を進め、開催日は父親たちも会場設営や見守りをする。
地域住民も落ち葉を集めたり、焼き芋を差し入れてくれたり好意的。材料費や保険代などの運営費は寄付で賄っている。次回は来年2月に開催予定。亀井代表は、「夢は常設プレーパークを作ること。子どもたちが自由に遊ぶ姿が当たり前になれば」と意気込む。同会(ota.playpark@gmail.com)。
[あいず(館林)]
プレーパークを通して地域づくり
「プレーパークは子どもたちが、ありのままの姿でいられる場所」と語るのは館林を拠点にプレーパーク作りを進める任意団体「あいず」の牧田康平代表(29)。5年前、足利のプレーパーク「あそビック」の立ち上げに携わったことをきっかけに、「地元でも作りたい」と館林市役所を退職。現在、埼玉の「冒険松原あそび場」に勤務しながら運営ノウハウを学ぶ。
今年度は市内で4回開催。多い日は200人超の参加者で賑わった。9月には乳幼児親子向けのプレーパーク「にじいろ広場」を初開催。8組の親子がしゃぼん玉遊びなどを楽しんだ。息子の大士くん(1)と参加した茂木妙子さん(38)は、「親同士気を使うことなく、子どもが水をかけてしまっても笑顔で見守れる雰囲気が心地よかった」と話す。
開催時、子どもたちが遊ぶ姿に目を細める高齢者やベーゴマ勝負に飛び入り参加し夢中になる大人も。あいずでは親同士の繋がりや地域住民の交流も目指す。牧田代表は、「地域のみんなで作り上げていく場所。プレーパークを通して誰もが自分らしくいられる社会を作りたい」と熱く語る。今月26日、つつじが丘公園で「にじいろ広場」、12月25日、長屋門芝生広場で「あいずプレーパーク」を開催。来年4月から、各月1回開催予定。牧田さん(080・1139・4675)。