日本ジュニアゴルフ選手権男子12~14歳の部優勝

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𠮷沢 己咲さん(14歳)=藤岡北中3年=

うちに秘めた熱い思い
冷静にクラブに乗せて日本一に

丸山茂樹や石川遼など、世界で活躍するゴルファーが優勝者として名を連ねる日本ジュニアゴルフ選手権。その名誉ある大会の男子12~14歳の部で今夏、藤岡市立北中学校3年生の𠮷沢己咲さんが優勝を飾った。昨年に次いで2度目の快挙となる。

表彰式でも着用したジャケットを身に付け、笑顔を見せる𠮷沢さん

昨年は、初日から首位を守って優勝。今年は、最終ラウンドで2打差の3位からのスタートだったが、焦りはなかった。今大会の前の週に開かれた全国中学校ゴルフ選手権では、1打差で逆転優勝。調子も良く同じように逆転Vが目指せると踏んだ。読み通り前半で単独首位に立つと、後半に連続バーディを奪う快進撃。見事な逆転劇で連覇を果たした。9月には、フランスで開かれた「エビアン・チャンピオンシップ・ジュニアカップ」にも出場。昨年の5位を上回る3位の成績を残したが「日本ジュニアゴルフ選手権での優勝の方がうれしかった」とはにかみながら答える。

ゴルフ好きの父の影響で、8歳でクラブを握った。2014年に初出場した「関東小学生ゴルフ大会」では70位。それ以降、出場する度に順位を上げていった。初めて優勝杯を手にしたのは3年後の2017年。関東小学生ゴルフ大会春季大会だった。同年、PGM世界ジュニアゴルフ選手権日本代表選抜大会でも優勝。数多くの大会で一番高い表彰台を何度も経験するようになった。指導を仰ぐ父から掛けられる言葉は「おめでとう」ではなく「いつも通りにできたね」。うちに秘めた熱い思いをコントロールしつつ、ここ一番で自分の力を存分に発揮する𠮷沢さんにとって、最高の褒め言葉だ。

自分の強みを「ドライバーが曲がらないこと」と分析。バッグスイングの後、踏み込むようにダウンスイングでバランスを取るのが𠮷沢流だ。今でも毎日3時間ほどの練習を欠かさないが「練習はあまり好きではない」とポロリ。逆にグリーンに出るのは大好きで「ゴルフを通じて知り合った同年代の仲間に会えるのが楽しみ」と微笑む。県内、関東、全国と大会が大きくなるたびに、友だちの輪も広がった。

ゴルフのトップシーズンは過ぎたものの、秋以降も時折開かれる大会に出場。練習に、大会に、そして受験勉強にと多忙な日々が続く。そんな𠮷沢さんの気分転換は「ゲーム、かな(笑)」と中学生らしい答え。将来の夢は「大学を卒業するときに、可能性があればプロに進みたい」。日本一の座についても浮ついたところがない。未来のコースを読む目はゴルフ同様、冷静だ。

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