登場人物がオンラインで一人芝居
「縁側アロハ その前に。」先月から順次配信中
新型コロナウイルスを受け全国の劇団が公演休止を余儀なくされる中、県内の演劇ユニット「演劇/微熱少年」は動画投稿サイト「ユーチューブ」で、リモート一人芝居を順次配信中。動画からは「コロナ禍であっても、舞台表現を諦めない」という演劇人たちの熱い思いが伝わってくる。(中島美江子)
劇作家の加藤真史さん(太田)主宰の同ユニットは先月下旬、邑楽の邑の森ホールで「縁側アロハ」を上演予定だったが、4月上旬に公演中止を決定。「何か出来ないか」と模索していた演者の一人、中村ひろみさん(前橋)がネット上で一人芝居を発表する企画があることを知り、加藤さんに参加を提案。これが、縁側アロハの登場人物一人ひとりに焦点をあてたリモート一人芝居シリーズ「縁側アロハその前に。」=写真=の誕生へと繋がっていく。
加藤さんが書き下ろした「縁側アロハ」は、群馬にある小さな町を舞台に、家族の物語が展開。家族だけでなく地域や世界との関わりを多層的に描き上げており、公演ではプロの俳優や落語家の立川談四楼ら群馬ゆかりの9人が出演予定だった。
オンライン芝居は、「縁側アロハ」の前日譚になっている。演者は4月下旬から順次、稽古を開始。ネットを通して、演出の加藤さんと、役者一人ひとりがやりとりする中で、演技やセリフを作り上げていくという。既に動画をアップした中村さんは、「映像用の演技ではなく、舞台用の演技を心掛けました。そこが難しくもあり面白くもありましたね」と振り返る。
全9話予定で、現在5話が公開中。今月中旬、6話目を配信する。加藤さんは、「リモートで出来ることは限られていますが、不自由さの中から生まれた芝居を想像力を働かせて楽しんで」と話す。一人芝居は、「演劇/微熱少年」のフェイスブック上で公開中。