終戦から75年

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朗読や紙芝居語り伝える「前橋空襲」

前 橋

太平洋戦争末期の1945(昭和20)年8月5日の夜、米軍の爆撃機が、700トンを超える焼夷弾(しょういだん)などを投下し、市街地の約8割が焦土と化した前橋空襲。戦争体験者が年々高齢化し記憶の風化が懸念される中、戦禍を2度と繰り返さないよう、次世代へ前橋空襲の記録・記憶をつなぐ取り組みを続ける2つの催しを紹介する。(塩原亜希子)

朗読で伝える空襲体験者の声

「前橋空襲」を声に出して読む
9、15日 前橋まちなか音楽館前

前橋空襲について多くの人に知ってもらおうと、前橋まちなか音楽館前で朗読会「今、声に出して読む 市民が語る前橋空襲」が開かれる。

演劇プロデュースとろんぷ・るいゆの主宰者・中村ひろみさん(前橋在住)が、5年前から実施。前橋空襲を体験した市民たちの声をまとめた「街角の証言集―市民が語る前橋空襲」などを、中村さんが朗読する=写真。開催場所は空襲の爆心地だったあたりで、この場所で行うこと自体をメッセージとしているという。

今年も既に前橋空襲の日の5日、広島原爆の日の6日に行われ、今後は長崎原爆の日の9日(午後4~6時半)、終戦記念日の15日(午前10~午後12時半)に開催を予定している。観覧、参加(朗読)者随時募集。天候などにより時間変更の場合あり。中村さん(090-4249-9127)。

展示と紙芝居で伝える 戦争の残酷さと平和の重み

「前橋空襲特集 地域から戦争を考える」
8~10日 市芸術文化れんが蔵

戦争の残酷さと平和の重みを考える企画展「前橋空襲特集 地域から戦争を考える」が8~10日、市内の芸術文化れんが蔵で開かれる。前橋空襲を中心にした写真パネルを常設展示し、戦争の悲惨さを訴える。

同展は、市民で作る「前橋に“平和資料館”設立をめざす会」が、戦争の記憶・記録を後世に伝えようと2014年から毎年開催してきた。8日は午後2時から、朗読と紙芝居で前橋空襲を紹介。紙芝居は、長年資料をもとに前橋空襲の絵を描いてきた野中守さん(市内在住)が制作した。9日午後2時からは3人の体験者が前橋空襲を語り=写真は過去の様子、10日午後1時半からは元群馬大講師の岩根承成さんが、「75年前の『前橋空襲』を考える」と題し講演。入場無料。めざす会の浅尾さん(027-233-1796)。

 

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