群馬地域文化振興会
絵札に新たな視点のストーリー
県民におなじみの「上毛かるた」を読み解いた「絵本 上毛かるた」が、群馬地域文化振興会(茂原璋男会長)から発刊された。
文を担当したのは同会特命事項担当理事の唐澤至朗さん(68)。かるた誕生から来年で75年。各札の絵の意味や情景が分かりづらくなっている現状をふまえ、時代に即した新たな視点や解釈も加えた誰にもわかりやすい絵本を出版した。
同書は、単に各絵札を言葉で説明するだけではない。トオルクンとサッチャンという2人の子どもが、かるたに描かれた場面を訪れたり過去へタイムスリップしたりするという設定。そこで出会った人や生き物をはじめ、まんじゅうや埴輪など擬人化されたモノとの会話を通して解き明かしていく。全44枚分の解説が「いろは」順でならび、札1枚につき見開き1ページで完結するように構成。絵は、ユニークで親しみやすい画風が人気の版画家、野村たかあきさん(前橋市在住)が手掛けた。巻末には、大人が子どもに読み聞かせて知識をより深められるよう、補足解説を付した。
唐澤さんは「先人が作った素晴らしい文化を、新しい時代へと継承し残していくことは我々の使命だという思いで制作した。まずは純粋にかるたを楽しみ、次にこの本で背景を知ったあと、実際に現地へ足を運んでもらえたら」と話す。
A4版、104ページ、フルカラー。本文の漢字はすべてルビ付き。税込2420円。購入希望者は、前橋の朝日印刷工業へ電話(027-290-1533)かFAX(027-255-3435)で申し込む。ホームページのwebショップ「からかぜ文庫POD」でも購入可能。