高崎劇術劇場は、先月26日にバンドネオン奏者として世界的に活躍する洗足学園音楽大学客員教授の小松亮太さんを講師に迎え、「タンゴの真実」と題して講演会を行った。
小松さんは、3月に同名の著書「タンゴの真実」(旬報社)を出版したばかり。タンゴ演奏に関するアーカイブ映像を大スクリーンに投影し、音源を流しながら、タンゴの歴史や音楽の特徴、編曲によって変わる曲の印象、時代との関わりについて約2時間みっちりと熱くレクチャーした。
今年は、タンゴの演奏者であり作曲家でもあるアストル・ピアソラが生誕100周年を迎えたことに小松さんは触れ、「ピアソラが1人でタンゴに革命を起こしたという定説にはノーといいたい。先輩の流れを汲んでいる」とピアソラ以前のタンゴ奏者の演奏を示しながら強調した。さらに「バンドネオンは悪魔が発明した楽器という人もいるがそんなことはない」と笑顔を見せながらドイツ製バンドネオンの構造なども解説した。その後、小松さんが実際に演奏を披露すると、客席からは拍手が惜しみなく送られた。
5月15日午後6時からは、同劇場でコンサート「小松亮太playsアストル・ピアソラ~ピアソラの音楽で綴るタンゴ革命の軌跡~」を開催する。チケットは、全席指定6000円、25歳以下2500円。同劇場チケットセンター(027-321-3900)。