工夫して祝福し、絆深める 少人数、2部制、オンラインなど
2回目の緊急事態宣言が出された群馬。コロナ感染拡大に伴い、このような状況で「結婚式を挙げていいのか」、「延期した方がいいのか」など思い悩むカップルも多いようだ。そこで、感染リスクを抑えながら、新たな形の結婚式を模索する動きも出ている。コロナ下での県内の結婚式事情を取材した。 (谷 桂)
結婚したい時に式ができるサポートを
エテルナ高崎
メモリード(本社前橋市・吉田卓史代表取締役)が運営する「エテルナ高崎」(高崎市栄町)は、新郎新婦やゲストに「安心して安全な結婚式を届けたい」と、入館時の感染対策として検温やアルコール消毒、マスク着用、パーテーションの設置などの基本的な対策を徹底。室内のCO2濃度を数値で表す「二酸化炭素濃度測定器」も設置し、定期的な換気をしている。
食事中の「三密」を心配するカップルのために「2部制モデル」を作成している。2部制とは、家族親族中心の食事会の後に挙式を行う「第1部」の後に、同僚や友人などを中心とした披露宴を「第2部」として行うもの。「コロナ下でも、より多くのゲストに感謝を伝える機会が生まれ、安心できる」と新郎新婦だけでなく両親にも好評だ。また、一緒に食事をすることが心配な場合には、挙式後にステーキや高級食材などが入った創作フレンチの折詰「祝い膳」をゲストに渡すという選択肢も準備する。
コロナ下でのリモートの活用が一気に進み、希望者には最初の相談や見学の時点から、オンラインでの対応が可能になった。また、今までなら出席をあきらめていた人が参加できるようになり、同式場の延明弘総支配人によると、「病気で入院中の親にリモート生中継で華やかな姿を見せ、感謝の気持ちを伝えることができた新郎新婦もいます。また、高齢で参加が難しい祖父母や遠隔地で来られない友人とオンラインでつないだ事例もありました。今までなら叶わなかったことが可能になることで、人と人との絆が深まればいいですね」と話す。
コロナ下で挙式をあげたカップルからは、「1年延期してやっと式を挙げられましたが、とても素敵な式になりました」「延期やキャンセルについて悩みましたが、思い出に残る挙式になり、やってよかったです」などポジティブな声が寄せられた。「結婚式をしたいと思ったときに実現できるように、スタッフ一同、様々な選択肢を用意することで、新郎新婦やご両親、ゲストの不安を少なくしたい」と延明総支配人らは意気込む。エテルナ高崎(027・323・1122)。
キャンセルを乗り越えて 新郎新婦の悩みに応える
アメイジンググレイス前橋
アメイジンググレイス前橋」(萩原隆史社長)では、入館時の検温やアルコール消毒、マスク着用、パーテーションの使用、テーブル間のディスタンスなどの対策はもちろん、予約制オンライン見学会や無料カフェ付き見学会を実施。酒類の提供を控える際は、ノンアルコールのスパークリング酒など要望に応える。
最初の緊急事態宣言の頃、同式場では、キャンセルするカップルも数組あり、2回延期した人、フォトウエディングを選択した人もいた。「コロナ下に結婚式を挙げてもいいのだろうか」「親戚や友人などゲストを呼んでも大丈夫か」など、本人たちからの悩みの声も多く寄せられてきたという。担当者はその都度、一緒に悩みながらも「新郎新婦がお互いを幸せにする誓いの日です。お世話になっている方々に感謝を伝える場と捉えてはいかがですか」とアドバイスしたという。
現在は、少人数でも対策を取った通常の挙式が増えている。多人数の場合には、同じ敷地内にある2会場を同時に使用したオンライン披露宴も行う。両会場にモニターを設置し、新郎新婦の入場から退場までを互いの会場に映すことでプログラムを同時に進行させることができる。
萩原社長は「結婚式は、新郎新婦が親に対し『今までありがとうございました』と感謝の言葉を直接伝えられる機会です。家族や友人と、あえて式場で特別な時間を持つことで、良い思い出が生まれています。今年は館内にカフェもオープンしました。コロナ後に、あるいはまた数年たったのちに、家族一緒に遊びに来てもらえたら嬉しいですね」と話す。同式場(027・210・7722)。