鮮やかな木々の色づきを照らし出す 明日13日から
県内各地で紅葉が見頃を迎えている。赤や黄色に色づいた葉が闇夜に浮かび上がるライトアップ。昼間とは違う光と影の幻想的な秋を体験できる。今週は、数少ない「床もみじ」の寺、桐生市の宝徳寺と紅葉と池や巨石、枯山水との調和が美しい私設日本庭園・徳明園のライトアップイベントを紹介する。
夜の絶景 幻想的な「床もみじ」を満喫
桐生 宝徳寺
鏡のような本堂の床に紅葉が反射して映し出される紅葉リフレクション「床もみじ」を一目見ようと参拝者が絶えない桐生市川内町の宝徳寺(金子英宗住職)。明日13日から28日まで限定で、モミジ約100本が植えられた夜の境内をライトアップする。
期間中、本堂の畳を外した鏡面仕上げの床28畳に、赤や黄色に染まったモミジが「紅葉浄土」を醸し出す。「床もみじ」公開は、春夏秋の3回あるが、秋が最も参拝者が多く、中でも夜は、「もう一つの紅葉体験」ができるとあって人気が高い。
寺では、日頃、お経をあげ法要を行っている本堂の床が映り込みすることで、6年前から「床もみじ」の特別公開を始めた。その後、スマホの普及やSNSにより公開が自然に拡散したという。「床もみじ」とは、最初、京都の寺社から始まったキャッチフレーズ。同寺でもすっかり魅力を伝える言葉になった。金子住職は、「夜も昼も一番良い紅葉の季節になりました。この機会にお寺に親しんでください」と話した。期間中は境内フードエリアでスイーツや軽食などのキッチンカーが出店する。
■床もみじ特別公開=28日まで。同寺(0277-65-9165)
【ライトアップ(要予約)】13~28日。午後5~7時は30分ごとの入れ替え制で全4回(各回定員30人)、拝観料2000円(空きがある場合のみ当日受付可で200円増し)。午後7~8時は1時間観覧可で(限定15人)、拝観料3000円(同)。駐車料300円。予約は同寺HP(https://www.houtokuji.jp/)からも入れる「チケットペイ」へ。
【昼間の観覧(予約不要)】午前10時(今日12日は同9時)~午後4時。拝観料1000円(今日まで600円)。駐車料500円(同300円)。
北関東屈指の広さ 金色に輝く日本庭園
高崎 徳明院
モミジやイチョウなどの紅葉が見頃を迎えた高崎市石原町の「徳明園」では、明日13~28日の土日祝日に園内のライトアップを行う。
約6千坪と北関東屈指の広さを誇る私設日本庭園。池、枯山水、石庭、苔庭などで構成され、色づいた木々と野趣あふれる浅間山の溶岩、鬼石の三波石などの織りなす風情あふれる景色が楽しめる。
同園は、人力で掘った洞窟内に多くの観音像が安置されている「洞窟観音」に隣接。同観音は市内で呉服商を営んでいた初代山田徳蔵氏が「人々が喜ぶ観光参拝所を作りたい」と私財を投じて1919年から50年かけて建設。日本庭園はこの掘削時に出た土砂を盛って造られた。園内には初代徳蔵コレクションを展示する記念館も。
同園の四代目山田徳蔵さんは「世のため人のため、という創設者・初代徳蔵に思いをはせながら、金色に輝く夜の庭園をお楽しみください」と呼びかける。午前10(ライトアップは午後4)
時~7時半(入園は同7時)。一般800円。小中生400円(昼・夜区別なし)。28日までは毎日、茶席も楽しめる(抹茶と菓子付き600円)。同園(027・323・3766)。