県内各地の酒蔵では、初しぼりの出荷が始まった。日本酒「誉国光」で親しまれる、武尊山を望む川場村の土田酒造でも、6代目の若き蔵元、土田祐士社長(45)が手掛ける新酒「はつしぼりichi2021」=写真=が、今日26日からいよいよ販売となる。
今季の酒の出来栄えを占う「初しぼり」。収穫した新米を洗って9月から「令和3酒造年度」の最初の仕込みに入り、濾過(ろか)、瓶詰めの工程を経て、約2か月間半で出荷となる。ライトな口当たりで香りやほんのりした甘さがあり、抑え目の酸味が特徴。冷酒で飲むのがおすすめという。
同社の日本酒はすべて、醸造用アルコールなどの添加物を使用しない「生もと造り」。江戸時代から続く製法で、現代の機械設備も取り入れ、新しい酒造りにチャレンジしている。米、水、こうじを材料に、蔵に住んでいる菌を活かしてして醸造する。表示義務がない酒質矯正剤や乳酸、酵素剤なども一切使わない。また、一般的な酒造りでは、専用米を使用することが多いが、食卓で普段食べている群馬県産の米「あさひの夢」を、削り過ぎない低精米で使用している。
土田社長は、「群馬の『食べるお米』を使い、自前の蔵の菌で造った今年の『はつしぼり』です。群馬の皆さんにぜひ飲んでいただきたい」と笑顔を見せる。同社や県内外の特約店で販売。720ml、税込1950円(直売店・通信販売価格)。問い合わせは同酒造(0278-52-3511)へ。(谷 桂)