人手不足、高齢化、コロナ禍の課題解決に期待
飲食店や病院などでの活躍が期待される業務用ロボットの体験型ショールーム「TEAM ROBO」が昨年12月、前橋駅北口の「アクエル前橋」(前橋市表町)1階に、県内で初めて誕生した。(谷 桂)
印刷機材商社の新事業
1954年の創業以来、印刷機材販売に取り組む商社「設楽印刷機材」(本社前橋市野中町・設楽誠一社長)が新規事業として手掛ける。
「TEAM ROBO」を統括する設楽剛史専務取締役(41)によると同社は2年前、コロナをきっかけに、商社としてのネットワークを活用して、マスクや非接触体温計の供給した。その後、ヘルスケア事業に着手。新たに繋がりを持った医療機関などから、「消毒をしたいが、人手が足りない。人の代わりになるものはないか」と要望が寄せられた。
「それなら、除菌ロボットがいいのでは?」と提案したことがロボット新事業を立ち上げるきっかけになった。
立ち上げからオープンまでスピーディーに
同社が「TEAM ROBO」のプロジェクトを立ち上げたのは昨年8月。国内外の様々なロボットメーカーとのタイアップが次々に決まり、わずか4カ月後には、同ショールームをオープンさせるという、実にスピーディーな展開だった。
県内では初の常設ロボットショールーム。ショッピングモールや病院で人を誘導する「案内ロボット」や病院内を自走する「除菌ロボット」、飲食店やホテルで料理を運ぶ「配膳ロボット」など現在5、6種類のロボットが展示されている。
実際に動いているロボットを見たり、タッチパネルを操作したり、触れたりできるとあって、「リアルなロボットを身近に体験できる」と県内外から一般客が遊びに来たり、興味を持つ幅広い業種の人が訪れているという。先月も配膳ロボットを「工場でのピッキング作業用に応用できる」と企業が導入した。
人とロボットの共存へ
コンセプトは「人とロボットが共存する世界へ」。人手不足や高齢化、コロナ禍における非接触のサービスなど社会が抱える様々な課題を解決するロボットの可能性を提案する。
このほか、小学校で必修化された「プログラミング」にも対応しようと、子どもがプログラミングを学べるロボットも提案している。同社も「始まったばかりの教科を子どもたちが楽しく学んでほしい」と力を入れる。プログラミングロボットは、ショールームにも設置してあり、今後は、ワークショップも開催予定。
設楽専務は、「意外にロボットのできることはたくさんあります。まずは、様々なロボットを気軽に見に来て体感してください」と呼び掛ける。
■TEAM ROBO
前橋市表町2-30 アクエル前橋1階
午前10~午後6時 営業日は平日のみ(18日は休業)
問い合わせは、080-5977-8435
※ショールーム内では、飲食物の販売はありません