みどり市の富弘美術館では、春の花の時期に合わせた企画展「水温(ぬる)む」が開催されている。5月29日まで。
勢多郡東村(現在のみどり市東町)出身の星野富弘さん(75)は、群馬大学卒業後、頚髄を損傷してから、口にくわえた絵筆で詩画を描くという独自の作品を制作し続ける。故郷にある草木湖畔の館の周辺では、暖かい日差しに木々が芽吹き、梅やフクジュソウ、スミレなど春の花々が咲く季節になった。
同館では、星野さんの作品に、春の花が多いことに注目。「創作意欲をかきたてる花の種類が多いことに加え、一斉に芽を出し、花を咲かせる『大地の生命力』が生きている喜びにもつながるからでしょう」と話す。「心温まる」富弘作品の中から、代表作や近作など約80点が展示されている。横須賀市から家族で来館した男性(75)は、「行き先を家族で話し合って、富弘美術館に決めました。絵もいいですが、詩が大好きで、心が温かくなりました」と満足そうに笑顔を見せた。
4月9日午前11時半と午後1時半からはLivelyによる季節の朗読会。
4月10、5月5日午後1時からは、鈴の鳴る道を歩こう(要予約)。
4月16日、5月14日午後2時からは、学芸員によるギャラリートーク。
開館時間は、午前9時~午後5時。3月末までと5月30日の月曜休館。一般520円、小中学生310円。同館(0277・95・6333)。