新島学園短期大学(高崎市・岩田雅明学長)で先月17日、日本基督教団石巻栄光教会の川上直哉牧師が「『復興』を考える 津波・フクシマ・東北キリシタン」と題して講演した。
同大の関係者らを前に川上さんは、原発事故で飛散した放射性物質が、風の影響で福島よりも海や関東近郊に多く飛散する様子を動画で示し、年月を経ても事故が日本全体で抱える課題であることを示した。また世の中が、何かを成すために別のことを犠牲にする「桃太郎主義」で動きがちであるとし、「安全対策が十分でない場所でも人々は生活しているが、必要な情報はなかなか伝わらない。出来事に向き合い、何が起きているのかを知るには教養が役立つ」と説いた。また実際に震災で被災した参加者もあり「突然の不条理に遭い、何に向かって祈ればいいのか」と問うと、川上牧師は「祈りの本質は言葉の力。祈ったあと信頼できる人と語り合い、分かち合うことが大切」と静かに答えた。