だるまちゃんや、からすのパンやさんが大集合!

ファン熱望の「かこさとしの世界展」
12月25日まで 県立館林美術館

「てんぐちゃんの ような うちわが ほしいよう」といって「てんぐちゃん」が持っている物を何でも欲しがる「だるまちゃん」を主人公に描いたユーモアたっぷりの絵本「だるまちゃんとてんぐちゃん」(福音館書店)。からすの家族が作るたくさんのおいしそうなパンが魅力的な絵本「からすのパンやさん」(偕成社)など、日本を代表する絵本作家・かこさとしさん(1926―2018)の原画や資料を展示する「かこさとしの世界展」が館林美術館で開催されている。12月25日まで。

福井県生まれのかこさんは、32歳で最初の絵本「だむのおじさんたち」(福音館書店)を出版。生涯に約600冊以上の著作を残した。東大工学部在学中、終戦を迎え、「子どもたちのために役に立つこと」に生きる希望を見出し、地域での活動や絵本制作を通してその思いを実践していく。

今展では、少年時代のスケッチや絵日記、紙芝居、これまで発表されることのなかった絵本の原画や下絵など貴重な作品と資料158点を展示。92歳で亡くなるまで描いていた絵本「みずとはなんじゃ?」(小峰書店)も紹介するほか、茂林寺の「分福茶釜」や「なまず」など館林や群馬をイメージする絵画も特別展示されている。太田市から訪れた永田ゆりかさん(42)は親子とも大ファン。「チラシを見てずっと来たいと思っていました」と喜んだ。息子の伊澄さん(7)は「かこさんの絵本がとても大好きです。『からすのてんぷらやさん』と『からすのパンやさん』がすきです」と原画に目を輝かせた。同館の熊谷ゆう子学芸員は「初期から最後の絵まで、網羅しています。子どもも大人も、かこさんの世界を堪能してほしいですね」と呼び掛ける。

月曜休館。一般830円、大高生410円、中学生以下無料。10月28日県民の日は無料。同館( 0276-72-8188 )。 (谷 桂)

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