「Art Meets」展 アーツ前橋で今月30日まで

中堅アーティストの共演 代表作や未発表作など約50点

国内外で活躍中の中堅アーティストを紹介する企画展「Art Meets」が今月30日まで、前橋のアーツ前橋で開かれている。同展は2014年に始まり、7回目となる今年は同市出身のアーティスト・後藤朋美さんと徳島県出身の写真家・田村尚子さんの代表作や未発表作品を含む約50点を紹介している。

長年、前橋市内の母子生活支援施設とアートプロジェクトに取り組んでいる後藤さん。今展では各地の海で採取した塩を用いた砂時計や、植物を人間の臓器に見立てて配置した立体など自然素材を用いて「生」を捉えた作品を発表。一方、写真や映画、書籍装丁の制作など幅広く活躍する田村さんは、アイデンティティをテーマにフランスのラ・ボルド精神科病院の入所者らを撮影した作品を始め、ポラロイド写真にタイプライターで刻印した作品や数年のタイムラグで捉えた2つの像を一枚に焼き付ける二重露光写真など、イメージと物質と時間の概念を拡張させる作品を展示している。同館の井上康彦学芸員は「どちらの作家も、普段私たちが知っているものの背後にある根源的な力や構造に焦点を当てて顕在化させています。彼女たちの作品を通じて創造的な日常を発見し、多様な考え方や感性に触れてもらえたら」と話す。入場無料。同館( 027-230-1144 )。

後藤朋美《2回目の初めて》
(撮影・木暮伸也)
掲載内容のコピーはできません。