クリスマスに食べたい 世界の料理 in ぐんま

もうすぐクリスマス。楽しいクリスマスを過ごすのに欠かせないのがごちそうです。県内には世界各国の料理が味わえる飲食店がたくさんあります。まだまだ、海外旅行に行きにくい中、今週はクリスマスに食べたい「世界の料理」を特集。レストラン4店舗を紹介します。異国情緒あふれるごちそうで旅行気分を味わおう。

ブラジル料理
KAMINALUA カミナルア
《大泉》

ボリューム満点でジューシーな肉料理
オーナーは甲子園のホームラン選手

人口の19%が外国人という大泉町。ブラジルを始め、ペルー、ベトナム、ネパールなどの多国籍レストランが多い。中でも、多くの人に愛されている評判のブラジル料理店が「レストラン カミナルア」。オーナーシェフの瀬間仲ノルベルトさん(38)は、元、中日ドラゴンズのプロ野球選手。ブラジルから留学生として来日し、日章学園(宮崎)で内野手としてプレー。甲子園では特大ホームランを放ち、「怪物」の異名をとった。プロ引退後は、日系ブラジル人が住む大泉に移住し、姉と語学学校を開設したが、リーマンショックや東日本大震災の影響で生徒が減り、「景気に左右されない飲食店を」と2015年にレストランを開店した。

町のシンボル「いずみ緑道」に近い店は、瀬間仲さんがDIYをしたウッドデッキ席や店内の席などが100席以上。本場ブラジルの味を大切にしながらも「1人でも多くの日本人に食べてもらえるブラジル料理を」とメニューを開発。希少な部位を使った「ピッカーニャ(イチボ)」(1300円)や「牛バラ肉」(1350円)などは、岩塩とペッパーで味付けしたジューシーなのにさっぱりとした味。ローストチキン(ハーフサイズ)やフライドチキンも提供する。他には、チーズや肉が入った揚げギョーザ風の「パステル」(500円~)や先が尖ったコロッケのような「コシーニャ」、ラグビーボール型の「キビ」などが人気だ。自家菜園で育てた有機野菜が登場することも。クリスマスには、盛り合わせ料理のテイクアウトも受け付ける(要予約)。サトウキビを使ったブラジル伝統の「カイピリーニャ」などのカクテルも充実している。 瀬間仲さんは、「初めての方は入りにくいかもしれませんが、6割が日本人客です。コロナでも応援してくれるお客様に感謝しています。ぜひ、ゆっくりとしたひと時を過ごしてください」と呼び掛ける。

オーナーシェフの瀬間仲さん
手前は揚げ餃子か春巻きのような「パステル」、奥はコロッケのような「コシーニャ」
手前は、スペアリブ、奥に見えるのが、牛肉の野菜炒め
イルミネーション輝く外観

■大泉町坂田2-14-7 電話:0276-55-2121
HP:  https://hitosara.com/0006084871/
営業時間:平日/午前11~午後3時(L.O.午後2時)、午後6~12時 (L.O.午後11時)ランチは1155円(税込)~
土日祝/正午~午後12時 (L.O.午後11時)
定休日:水曜
※日本語対応、駐車場有
※グリルミックスやスナックミックス盛り合わせは、約5人前6480円。要予約。価格は全て税込

インド料理
PUNJAB パンジャブ
《藤岡》

藤岡産素材を使ったスペシャルオードブル
&本格タンドリーチキン&カレーを自宅で

藤岡インターから約1.5㎞南の県道沿いにあるインド料理専門店「パンジャブ」では、テイクアウト用のメニューとして、地元農家の素材を使った「fujiokaコラボクリスマスオードブル」の電話予約を16日まで受付中だ(受取期間は22~25日)。地場産有機大豆などが入った「4種の豆カレー」をはじめ、ハーブ豚の肩ロースを数種類のスパイスや地場産トマトと一緒に煮込んだ「ポークマサラ」、骨なしタンドリーチキン「チキンティッカ」やヨーグルトソースに漬け込んだ「マライティッカ」、「たまごのアチャール」(アチャールはインド版のスパイシーな漬け物)などスパイシー料理がぎっしり詰まっている。このほか、骨付きの「タンドリーチキン」(テイクアウトは378円)=表紙=も好評。インド北部の伝統的調理器具「タンドール」で炭焼きしているため香ばしく、しっとりジューシーな味わい。パプリカやクミンなど5種類のスパイスやニンニク、ショウガ、ヨーグルトを合わせた特製だれに2日間漬け込み、程よい辛さに仕上げている。

同店は、藤岡出身の荻野圭亮代表(51)が県内のカレー専門店で腕を磨き、6年前に妻の麻紗美さん(43)とともに開業。本格的なインド料理が人気で、地元のこだわり農家とコラボしたオリジナルカレーも提供している。店名は開業時の調理スタッフが北インドのパンジャブ州出身だったことにちなむ。

荻野夫妻は「スパイスを使った美味しい料理を一人でも多くの人に届けたい。藤岡の素材と本格インド料理とのコラボを楽しみながら、素敵なクリスマスを」と話す。

「fujiokaコラボクリスマスオードブル」(税込4320円)は6品の盛り合わせ。養豚農家「堀越ファーム」(藤岡)の豚肉を、数種類のスパイスや農家「とまとやとまと」(同)のトマトと一緒に炒めた「ポークマサラ」(写真手前)、農園「米達磨」(同)の有機大豆を使った「4種の豆カレー」(同中央)など
藤岡市内の女性事業者らで開発した、家庭で本格的なターメリックライスが炊けるスパイスと米のセット(同1000円)を同店で販売中。同店監修のレシピ付き
テイクアウト用カレー7種
(ハーフナン3枚付、税込4000円)

■藤岡市中栗須467-3
電話:0274-37-1350
営業時間:ランチは午前11~午後3時(L.O.午後2時)、ディナーは午後5時半~午後10時(L.O.午後9時)
定休日:月曜
インスタグラム:@punjabu_indian_cuisine

ルーマニア料理
Gabi’s Cucina&Caffe
ガビーズ クチナ & カフェ
《前橋》

手間と時間をかけた料理で幸せに
笑顔が集う 毎日が“クリスマス”の店

「365日クリスマス」をコンセプトに、昨年前橋市富士見町にオープンしたルーマニア料理の店「ガビーズ クチナ&カフェ」は、真っ赤な外観が目印。店内は、クリスマスをモチーフとした可愛らしい雑貨や小物であふれている。ルーマニア生まれのオーナーシェフ、ドュミトル・ガブリエラさん(36)は、「ルーマニア人にとってクリスマスは家族や友人が集まる大切な行事。美味しい料理を食べると幸せな気持ちになる。この店をそんな笑顔あふれる温かい場所にしたい」と話す。

ガブリエラさんが提供するのは、母や祖母から受け継いだルーマニアの家庭料理。農業国でもあるルーマニアでは、育てた野菜や家畜などで、パンやチーズ、肉料理、デザートまでたいていのものは手作りしていたそうだ。料理に使うハーブやスパイスを実家の母から送ってもらい、日本の食材に手間と時間をかけて、素材の風味を活かした“懐かしく優しい味”に仕上げる。日本では珍しいルーマニア料理が食べられると、県内外から人が訪れるという。

ルーマニア料理のメインは肉、特に豚肉を使った料理が多い。店の看板メニューは「パプリカの肉詰め」。皮のないソーセージのような「ミティティ」は、ムチムチした食感がクセになると人気。日本のロールキャベツに似た「サルマーレ」はルーマニアを代表する料理で、これが作れたら一人前といわれるそうだ。揚げドーナツにジャムとサワークリームをかけた、ローマ時代からある伝統菓子「パパナシ」や、クリスマスにかかせない焼菓子「コゾナック」など、ルーマニアのスイーツも美味しいと評判。共同経営者で同市出身の船津智彦さん(57)は、「日本人の味覚にもぴったり合うと皆さんおっしゃいます。クリスマスメニューも現在検討中です。ぜひ食べに来てください」と話す。

ドュミトル・ガブリエラさんと船津智彦さん
赤い外壁に白の看板。夜は灯りがきらめく
メニューにはルーマニア料理のほか、ガブリエラさんが育った北イタリア・ピエモンテ地方の料理も
クリスマスなど特別な日に食べる
伝統的なお菓子「コゾナック」

■前橋市富士見町原之郷765-7
電話:090-1986-8622
営業時間:正午~午後3時、午後6~午後10時
定休日:月曜、第2、3火曜
インスタグラム:@gabis_cucina_caffe

タイ料理
Cafe&Ethnic Krungthep
カフェ&エスニック クルンテープ
《渋川》

異国情緒あふれる香りと味で魅了
香草と野菜をたっぷり使った本場タイ料理

渋川市街地から伊香保温泉に向かう途中にある「カフェ&エスニック クルンテープ」は、本場のタイ料理が味わえると、県内外から多くの人が訪れる人気店。高台に建つ山小屋風の店内に入ると、香辛料の香りと異国情緒あふれるインテリアが出迎えてくれる。料理の腕を振るうのはバンコク出身の角田サイトンさん(62)。この春、定年退職をしたという夫の等さん(60)と二人で店を切り盛りする。

サイトンさんが作るタイの家庭料理は、香辛料や香草をきかせた本格派でありながら、日本人の味覚に合わせマイルドに仕上げられている。おすすめは、世界三大スープのひとつ「トムヤムクン」。トム=煮る、ヤム=和える、クン=エビ、を意味し、レモングラスやパクチー、バイマックルーと呼ばれる柑橘類の葉などのスパイスを使用した、辛くて酸味のある味わい深いスープ。ほかにも同店自慢の「生春巻き」(600円)や、揚げ春巻き「ポピャドー」(800円)、スパイシーな春雨サラダ「ヤムウンセン」(900円)。鶏、豚、牛肉を選べるグリーンカレーのセット「ゲーンキヨワーン」(1000円)などが人気。サイトンさんは「日本の野菜は美味しいので、どの料理にもたっぷりと使います」と話す。また、店で使用するパイナップル柄の青白陶器はタイから仕入れるというこだわりも。

同店では、トムヤムクン、サラダ、春巻き、メイン、飲み物、デザートのコース料理(1人1950円、2人~)の提供も行っている。スープ、麺類以外はテイクアウトも可(できれば前日までに連絡を)。

酸っぱくて辛い「トムヤムクン」は食べると身体がぽかぽかに
エビがたっぷり入った春雨サラダ「ヤムウンセン」は、見た目も鮮やかでパーティーにぴったり
「タイの若い人たちも日本同様、クリスマスをイベントとして楽しんでいますよ」とサイトンさん

■渋川市渋川3714-16
電話:0279-24-9191
営業時間:午前11時半~午後3時、午後5時~午後9時
定休日:火曜
HP:  http://www.krungthep.jpn.org/

 

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