太田で18日まで
館林出身の文豪・田山花袋の短編小説「百日紅(さるすべり)」を題材にして、花袋の足跡をたどる企画展「今から百十年前の大正元年九月四日、『誇る文豪』田山花袋が太田のまちを歩く―小説『百日紅』を読む」が、太田市立史跡金山城跡ガイダンス施設で開かれている=写真。18日まで。
同展は、県立太田高校の国語科教諭で花袋の研究者でもある関塚誠さんが同校文芸部の部員とともに学校内で展示していたものを、「もっと多くの人に見てもらいたい」と同施設が再構成した。
同小説では、花袋が作家として活動する傍ら長年務めていた東京の出版社「博文館」を辞める直前に太田へ来訪。親友で、妻の兄でもある詩人の太田玉茗(ぎょくめい)とともに太田停車場(現在の東武鉄道太田駅)に降り立ち、大光院(通称呑龍さま)や金龍寺、金山のふもとなどを散策している。
同展ではこの足跡を、昭和初期の絵地図と照らし合わせて紹介。小説に登場するスポットや飲食店、商品などが実在していたことを示す資料や古い写真や絵ハガキなども展示している。関塚さんは「花袋の歩いた道を実際にたどり、大正期の太田に思いを馳せてみては」と呼びかける。また、会場には、文芸部の各部員が同作の表現のうち「ぐっときた」フレーズを理由と共に紹介するミニコーナーも。入館無料。月曜休館。午前9~午後5時(入館は午後4時半)。同施設( 0276-25-1067 )。