ザスパ 開幕から1カ月!

笹川裕昭のスポーツコラム(vol.25)

 

 

 

 

 

 

サッカーJ2 ザスパクサツ群馬

ターニングポイントを迎える今シーズンを
みんなで乗り越えろ!

2月18日に新シーズンがスタートしたサッカーJ2のザスパクサツ群馬。年々厳しさを増すJ2において、生き残りを懸けるとともに、上昇のきっかけをつかむための大事なシーズンが始まりました。開幕から、まもなく1カ月。チームの様子、クラブの今後を見つめます

第3節千葉戦で今シーズンの初ゴールに右手を上げる武颯選手(フクダ電子アリーナ・千葉市)

開幕から3試合終了
3月10日現在で、開幕から3試合を終えたザスパは、2分1敗のスタートとなりました。初めの2試合は、序盤から相手の厳しいプレッシャーを受け、リズムが思うように作れずチャンスが生み出せない、もどかしい展開が続き無得点。それでも、第3節千葉戦では相手のプレッシャーをかいくぐり、サイドを起点にした攻撃で2得点を奪うなど、徐々に、守備から攻撃へのつながりも出てきました。今季のザスパは、自分たちのゴール前からボールを保持し、短いパスを使いながらリズムを作り、相手の隙をついてゴールを奪うスタイルです。ただ、相手もリズムを作らせないように、よりザスパのゴールに近い位置から積極的にプレッシャーをかけ、ボールを奪おうとしてきます。ここでのミスは、即失点につながるので、いかにミスをせず、ボールを保持できるかが、今後のザスパ浮上のカギになると思います。

目標は勝ち点50、16位以内
大槻毅監督2年目となる今シーズンは、新たに9人の選手を迎えましたが、監督が続投したことで、基本的な戦い方は変わりません。大槻監督も常日頃から、「選手たちの成長を促すため、日々、努力を積み上げていきたい」と話すなど、継続することの大切さを強調しています。

また、「ゴール」や「勝利」という結果はもちろん、「自分たちのサッカーを貫く」という理想も大事にする。このバランスをどう取るのかが難しいところですが、「勝ち点50、16位以内を達成する」という目標に向かって、全力を注いでほしいものです。

目標について「ちょっと低いのでは?」と疑問を持つ方もいるかもしれません。もちろん、選手たちは、「J2優勝、J1昇格」という頂点への思いを保持しながら戦っています。しかし、その思いだけでは勝利が手に入らないほど、J2リーグは、年々ハイレベルになってきました。まさに、「弱肉強食」とでもいうような厳しいリーグになっているのです。

今シーズンは、J2全22クラブのうち、J1を経験しているクラブは11クラブと、ちょうど半分。J2でも、「J1経験」が当たり前の時代。上位争いが期待されるクラブは、積極的な補強で、J1クラブ並みの戦力を持っています。ザスパにしてみると、毎試合を全力で戦わないと、ゴールや勝利はもちろん、引き分けで得られる勝ち点1すら積み上げていくことができません。

転換機、追い風に
ここ数年は、ザスパにとってターニングポイントがやってくるタイミングでもあります。

このところ短期間での社長交代が続いていますが、2月からまた、新たな代表取締役に赤堀洋氏(53)が就任しました。赤堀新社長は、スポンサーであるカインズ(埼玉県本庄市)で新規事業開発部長を務めるなど、経営や事業の第一線で活躍してきた人物です。J2の平均営業収益は、およそ15億円と言わていますが、ザスパは半分以下の6億円強しかありません。経営強化が必須のザスパにおいて、赤堀社長がどのような手腕を見せてくれるのか期待されます。

また、およそ1年後に完成予定のクラブハウス付き練習場(前橋市下増田町)の建設も本格化しています。練習環境の充実は、チームを強くするための大きな前進です。

一方、Jリーグ自体の大会方式なども2024年から大きく変更されます。J1からJ3各カテゴリーのクラブ数を「20クラブ」に統一。つまりJ2は現在の「22クラブ」からは減る形です。さらにJ2からJ3への降格クラブ数は、2クラブから「3クラブへ」と1枠増えることが決定しています。

ザスパの立て直しに向けた明るいニュースも増えているタイミングで、J3降格だけは絶対に避けなければいけません。こうした様々なターニングポイントを、自分たちの追い風にできるか。非常に重要な局面を迎えています。

チームの勝利やクラブの発展のためには、ザスパ自体の努力はもちろん、県民、ファン、サポーターの精一杯の応援が必要です。今季掲げたスローガン、「MORE AGGRESSIVE」のごとく、もっと多くの人が積極的に関わることで、ザスパをより強くできるはずです。

次節3月12日は、山形戦、場所は正田醤油スタジアム群馬です。群馬の誇りとなるクラブにすべく、皆で一丸となって応援しましょう。

前橋出身の細貝萌選手は今シーズンもキャプテンとしてチームを率いる
赤堀新社長にはクラブ立て直し、そして、強化に向けた手腕が期待される
攻守に積極的なサッカーで、まずは「勝ち点50、16位以内」を目指す

笹川裕昭
Sasagawa hiroaki
1978年3月28日生まれ、埼玉県さいたま市出身、大東文化大卒。ラジオ局エフエム群馬で、アナウンサーとして、スポーツ実況や朝夕のワイド番組に出演。現在は、株式会社フットメディアに所属し、スポーツ実況を中心に県内外で活動。個人サイト「SASAnote」(https://sasanote.net/)を運営し、県内スポーツの情報発信も行う
Twitter:@hiro3sa Instagram: hiro3sa_insta

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