山々にも様々な春の花が咲き乱れる季節がやってきた。今週は、山歩きをしながら楽しめる県内の花のスポットやイベントを紹介する。花の咲き具合は天候や気温によって変わるため、必ず事前に確認を。 (上原道子)
みなかみ⛰谷川岳
カタクリやミズバショウなど
高山植物を雪渓とともに
日本百名山の一つ、みなかみ町の谷川岳。冬はスキーゲレンデだった、中腹の天神平周辺では、雪解けとともに様々な高山植物が花を咲かせている。
山頂まで歩くには登山の装備が必須だが、標高1500㍍の天神峠展望台までならロープウェイとリフトを乗り継げば楽に到達でき、誰でも気軽に大自然を満喫できる。
同展望台周辺に咲くミズバショウは現在、見頃。また、ロープウェイ天神平駅から高倉山に向かって15分ほど歩くと(トレッキングシューズ推奨)、カタクリの群生地が広がり、雪渓の残る雄大な谷川岳をバックに花の写真を撮ることも可能だ。
初夏にかけてはショウジョウバカマ、シラネアオイ、ニッコウキスゲなどが順次咲き、7月頃まで花のリレーが楽しめるという。
散策の後は、谷川連峰を眺めながら食事ができる展望レストラン「ビューテラスてんじん」のほか、地元の食材を使用したテイクアウト式カフェ「Tenjin Cafe」で一服できるのも嬉しい。
天神峠展望台行(ロープウェイ・リフトセット券)往復中学生以上3500円、小学生2000円。駐車料500円。午前8時(土日祝日は同7時)~午後5時。谷川岳ロープウェイ by 星野リゾート( 0278-72-3575 )。
前橋⛰赤城山
レンゲツツジ10万株 下旬からイベント
新緑が芽吹く前橋の赤城山。総合観光案内所近くの白樺牧場には10万株のレンゲツツジが群生している。現在はつぼみ。例年6月の見頃には一斉に花が咲き、辺りがオレンジ色に染まる。牧場から徒歩10分ほどの場所にある見晴山展望台からは、斜面に咲く鮮やかなツツジが一望できる。このほか、覚満淵や小沼も花のスポットだ。
今月27日からは、花とともに周辺を楽しむイベント「新緑&つつじWEEK」が始まる。赤城神社と、25の協力店のうち1カ所の計2カ所で押印すると応募できるスタンプラリーのほか、ワンコイン(500円)で料理提供などが受けられるサービスを15店舗で実施。このほか、参加者全員でゴミ拾いをする「あかぎ大沼・覚満淵爽やかクリーン作戦」(6月3日午前9時、赤城山頂「あかぎ広場」集合)や、ノルディックウォーク(同4日、要申込)、通常は入れない赤城白樺牧場内のレンゲツツジ群生地を地元ガイドの案内で散策できる「秘密の絶景ツアー」(同1~15日、要申込)など盛りだくさん。問い合わせは前橋観光コンベンション協会( 027-235-2211 )へ。
嬬恋⛰浅間高原
15万株のシャクナゲ イベントは28日まで
浅間山の北麓にある嬬恋村の浅間高原シャクナゲ園では今月28日まで、「第20回シャクナゲ園まつり」を開催中だ。
約15万株が植えられている同園では、早咲きのアズマシャクナゲがすでに見頃のピークを越えたが、今月下旬から6月にかけては、遅咲きのヤクシマシャクナゲやレンゲツツジなどが咲き始め、順次、見頃を迎えるという。イベント期間中は、地元ガイドによる無料案内(土日のみ)や、県内飲食店の出店(同)のほか、生き物観察会(20日)や、園内の写真映えスポットをスタッフが案内する写真会(19、22、26日)、地元生産者による植木の直売などが行われる。
同園は、日本で初めてシャクナゲ栽培に成功した地元の造園会社が、村の観光促進のためにとシャクナゲの木と土地を寄付したことが始まり。同社や村民ボランティアと連携し、村が保護や整備を行っている。
同村観光協会職員の増山誠記さんは、「尾瀬や谷川岳などの風景も楽しめる特別な場所。観光案内所で配布するマップを手に巡ってください」と呼びかける。入園には美化協力費(中学生以上300円)が必要。同村観光案内所( 0279-97-3721 )。