「チェコの藍染めの魅力を伝え広めたい」

6月6日まで高崎高島屋で展示会

無形文化遺産 チェコの藍染め
ブランド「Violkaヴィオルカ」代表 小川 里枝さん(高崎出身)

「チェコの藍染めの魅力を日本に伝え広めたい」‐高崎出身の小川里枝さんは、同国の伝統工芸「藍染め」の持続的発展を目指し様々な普及活動に取り組む。9年前に自社ブランド「ヴィオルカ」(東京)を立ち上げ、現地の生地を使った服飾や小物を企画製造するほか、東京を中心に展覧会や講演会を企画。現在、高崎高島屋で開催中の「藍染めのある暮らし チェコのモダンな藍を楽しむⅡ」展では、職人技が光る手描き一点もののコートや伝統的なパターンを現代風にアレンジした文様柄のジャケットなど、多彩な作品を通して200年超の歴史を誇るチェコの藍染めを紹介している。 (中島美江子)

チェコの藍染め着物をまとう小川さん

小川さんは高崎市美術館の学芸員として担当した企画展が縁で、97年よりチェコに住み、語学や文化を学ぶ中で17世紀から続く藍染めと出会い興味を持つ。しかし、工房は国内に2軒のみと知り「伝統技を継承する工房を応援したい」と帰国後、ヴィオルカを設立。チェコの藍染めは版木で糊を置き、模様を染め抜く型染めの一種。紺と白の鮮やかなコントラストと、鳩やリンゴなど動植物を始め地域の自然、風習、歴史を物語る多彩な模様が特徴だ。同国を含むヨーロッパ5カ国の藍染め技術は2018年、ユネスコ無形文化遺産に登録された。その4年前、チェコの藍染めを初めて日本に紹介した小川さんは、「藍染めは日本独自のものというイメージが強いかもしれないが、チェコでも古くから親しまれています。生活感情のこもった染物は温かみがあり懐かしさを感じる人も多いでしょう」と話す。

ヴィオルカの衣料は、日本人に似合うような模様やデザイン、縫製になっている。今年で3回目となる地元・高崎での展覧会では工房デザイナーによる手描きのコートや、花と蔓文様のシャツ、水玉柄のワンピース、鹿狩りをモチーフにしたクッションカバーなど約250点を発表。伝統柄を大胆に再構成し、現代の暮らしに溶け込むようにデザインされた作品は、女性を中心に幅広い世代に人気だ。小川さんは、「古来よりチェコの人々に愛され受け継がれてきた藍染めは、人の手から生まれた存在感があり、使い込むほどに味わいが増していきます。人にも環境にも優しい、まさに今の世に求められているものではないでしょうか。日本人の心に響く、チェコの藍染めを暮らしの中に取り入れてもらえたら」と語る。伝統工芸への深いリスペクトと愛情が込められた、高崎高島屋での展覧会は今月6日まで。

■ヴィオルカHP:https://violka.handcrafted.jp/

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