「ゲルニカ」公開に合わせ ウクライナ人らが演奏

音楽と美術で「平和」の大切さ感じて

パブロ・ピカソの「ゲルニカ(タピスリ)」の特別公開に合わせ、県立近代美術館友の会(原田義人会長)は今月13日、ミュージアムコンサート「平和と愛」を開く。音楽と美術を通して、平和の大切さを感じてもらおうと企画。「ゲルニカ(タピスリ)」の作品鑑賞や同館の岡部昌幸特別館長による解説会、ウクライナのバイオリニストやチェリストらによる演奏会が同時に楽しめる催しになっている。

ピカソ「ゲルニカ」を基に制作された「ゲルニカ(タピスリ)」=県立近代美術館

同館は27日まで、「ゲルニカ(タピスリ)」を特別公開中。ピカソの代表作「ゲルニカ」を基に制作された、ほぼ原寸大のタピスリーは横幅約7㍍、世界で3点しかない貴重な作品だ。 「ゲルニカ」はスペイン内戦下で起きた無差別爆撃の惨状を描いており、逃げまどう動物たちや地面に倒れた兵士、子どもを抱えた母親の姿などを通して戦争の不条理や恐怖、人間の暴力性などを告発している。

13日は午後4時10分から「ゲルニカ(タピスリ)」が飾られた2階展示室で岡部特別館長による解説会が行われる。午後5時からは1階エントランスホールで「平和と愛」をテーマにウクライナ出身のアレクサンドラ・ホルブロバさん(バイオリン)やトルマチョブ・グリェブさん(チェロ)、高崎出身の福田美成子さん(ピアノ)がウクライナ国歌やドビュッシーの「夢」、エルガー「愛の挨拶」、坂本九の「見上げてごらん夜の星を」など名曲の数々を奏でる。

コンサートを企画した友の会の中森隆利さんは「ウクライナから高崎に避難してきたアレクサンドラさんは当日、父親の手作りのバイオリンで演奏します。ゲルニカのタピスリとウクライナの音楽を聴き、平和の大切さについて改めて考えて欲しい」と話す。作品鑑賞と解説会は観覧料300円が必要だが、コンサートは入場無料。同館友の会( 027-346-5560 )。

ウクライナ出身のバイオリニスト、アレクサンドラ・ホルブロバさん
ウクライナ出身のチェリスト、トルマチョブ・グリェブさん
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