「次の10年へ」向けた充実のプログラム
アーツ前橋と中心市街地で展開
今秋、開館10周年を迎えたアーツ前橋は節目を記念し、多彩なアートを館内外で紹介する「ニューホライズン 歴史から未来へ」展を開催中だ。同館をメイン会場に、「白井屋ホテル」や「まえばしガレリア」、「ハウゼビル」など再開発が進む中心市街地12カ所にも作品が並び、アートと街が一体化した芸術祭のような趣となっている。来年2月12日まで。
同館は、百貨店だった建物を改修した公立美術館として2013年10月にオープン。「創造的であること」「みんなで共有すること」「対話的であること」の3つをコンセプトに、展覧会のほか多くの地域アートプロジェクトを実施してきた。
今展では、グローバルに活躍する国内外30組のアーティストが参加。メイン会場となるアーツ前橋では、トルコ・イスタンブール出身のメディアアーティスト、レフィーク・アナドールさんによる巨大な映像作品を始め、約8千体の精緻な金属の人間像で現代社会を表現するザドック=ベン・デイビッドさんのインスタレーション、前橋の蚕糸技術センターで飼育された遺伝子組換えの〝光るシルク〟を素材とするスプツニ子!さんのドレスなど85点が展示されている。
館外では「中央通り商店街」「ハウゼビル」「スズラン前橋店」など前橋らしさを感じる会場のほか、「白井屋ホテル」「まえばしガレリア」といった新たな注目スポットを舞台に、アンドリュー・ビンクリーさんや、写真家の蜷川実花さんらによる最先端のアートが街を華やかに彩っている。
展示に加え、本展を監修した同館特別館長の南條史生さんを始め、キュレーター陣による解説付きツアー(要申込)やパフォーマンス、ワークショップなど関連イベントも盛りだくさんだ。これまで、市民と共に歩んできたアーツ前橋の文化芸術活動を土台に、街とミュージアムの「次の10年」に向けた新たな協働をひらく、充実のプログラムになっている。一般1500円ほか。水曜、12月27日~1月4日は休館。展示会場やイベント詳細は同館HPを参照。同館( 027-230-1144 )へ。