「義経千本桜」など江戸時代から愛される2作品
3月14日に高崎芸術劇場で
日本の伝統芸能「人形浄瑠璃 文楽」が、3月14日に高崎芸術劇場スタジオシアターで昼・夜公演にて開催される。文楽とは、太夫が三味線の演奏に合わせてストーリーや登場人物のセリフを語り、それに合わせて人形を動かす総合芸術だ。
文楽で演じられる物語には、江戸時代の町人たちの生活の様子を描いた「世話物」と江戸時代よりも古い戦国時代の物語を扱った「時代物」の2種類がある。
同劇場の昼の部(午後1時半開演)は、浄瑠璃三大傑作の一つに数えられる時代物の「義経千本桜」を上演。平家は滅亡したが、実は生きていた平維盛(これもり)の物語を題材として、老舗の「つるべすし弥助」を舞台に展開。一家の悲劇と妻子を犠牲にした無法者の権太の悲しみを描いた三段目「椎の木の段」と「すしやの段」を披露する。
夜の部(同6時開演)は世話物の人気演目の一つ「桂川連理柵」(かつらがわれんりのしがらみ)。京都にある老舗呉服屋の帯屋長右衛門は、24歳年下のお半と関係を持ってしまう。死を覚悟していた主人公の長右衛門と「どうか死なないで」と願う妻や養父。それぞれの思いを吐露するところが見どころ。同劇場の小谷野紀子さんは「太夫の声と三味線の音の迫力、魂を得た動作で魅せる人形が作り出す芝居空間を、ぜひ、皆さまにも体感していただきたいです」と語る。
出演は、竹本千歳太夫(太夫)、豊澤富助(三味線)、吉田和生 (人形・人間国宝)、吉田玉男(同)ほか。字幕表示あり。冒頭にはあらすじ解説あり。全席指定。S席4000円、A席3000円。昼夜通し券のS席完売、A席4000円。同劇場チケットセンター(027・321・3900)。