来期も検討 誰もが楽しめる新しい体験を
玉村町立図書館と同町文化振興財団
シンデレラやタヌキなど、スクリーンに映し出した「デジタル絵本」の映像を見ながら、バイオリンの演奏と柔らかく語り掛ける朗読を聴いて、ゆっくりと楽しむ。玉村町立図書館と同町文化振興財団の自主事業「見て!聴いて!デジタル絵本~バイオリンの音色にのせて~」が、玉村町文化センターで2月18日、初開催された。
きっかけは、玉村町出身のデジタル絵本にも取り組む作家・藤井りんさんの活躍を知った同町図書館の福島俊介さんが、「一緒にコラボできないか」と声掛けし、ホールを運営する同町文化振興財団と共同で企画。「障がいのある人もない人も、子どもも大人も安心して楽しめるバリアフリーのイベント」をコンセプトにした。
当日は、小ホールに、いす席のほか、車いすやマット敷エリアなど60席を設け、真っ暗にはしないで、出入り自由の気軽な雰囲気で開催した。
作家の藤井さんが制作した「シンデレラ」「ぶんぶくちゃがま」などを含む6作品を上映した。バイオリンには、群馬交響楽団やソロで活躍する奏者・松本花菜さんを迎え、朗読は、町立図書館の福島さんと県立女子大の奥西麻由子ゼミのメンバーが担当。手話サークルの玉村シュワールも参加した。約1時間にわたり、赤ちゃんから年配者、障がいのある人もない人も、美しくかわいいデジタル絵本の世界を楽しんだ。
朗読した県立女子大3年小松祥子さん(21)は「貴重な体験をさせてもらい、勉強になった」と話した。作家の藤井さんも「子どもたちの反応が心配でしたが、とても集中して見てくれた」と好印象にほっとした様子。
参加者で玉村町に住む塩谷咲也香さん(33)は、璃心(りこ)さん(3)と萌絆さん(0)とマット敷エリアで鑑賞。「いままでにない機会だったので、ぜひ、またやってほしい」と笑顔を見せた。同町文化振興財団の担当者、大山由実子さんは「このホールで何ができるか色々協議しながらこの形を作り上げました。今後もこのような取り組みをしたいので、ぜひご参加ください」と呼び掛けた。