群馬クレインサンダーズGM
吉田 真太郎
B1昇格初年度の今シーズンは、目標に掲げたチャンピオンシップ進出はできなかったものの、25勝30敗と、これまで信州ブレイブウォリアーズの持つB1昇格初年度の最多勝利数20を更新して、東地区11チーム中7位で終えた。さて、来シーズンはどんなチームになるのだろうか。チームの強化を担う吉田真太郎GMに、今シーズンの評価と共に話を聞いた。
「今シーズンは、B1昇格初年度ということで、ある意味、チャレンジャーの立場で、1年間を頑張れたのかなと思います。けが人が出たり、新型コロナウイルス感染症の影響で練習ができない時期があるなど、だいぶ難しいシーズンでした。その中でB1昇格初年度に最多勝利記録を更新できたのは、選手たちが本当に頑張ってくれた結果です」とチームを評価。
ただ、目標にしていたチャンピオンシップに進出できなかったことについて吉田GMは、「チャンピオンシップに行けなかったからダメというわけではなく、次につながるシーズンになったと思います。しっかりと課題が見えたシーズンになったので、次の目標が立てられる1年目になりました」と前向きにとらえていた。
そしてこうつけ加えた。
「ブースター様やスポンサー様、群馬県や太田市の皆様の期待には添えなかったと思いますが、末長く応援していただけたらありがたいです」
吉田GMの言う課題とは、ディフェンス(守備)面である。オフェンス(攻撃)では、エースのトレイ・ジョーンズを中心にB1でトップクラスの力を誇りながら、ディフェンスでは「改善すべき大きな問題を抱えている」と吉田GMが言うように、失点数の多さはB1リーグ22チーム中ワースト5と記録を見ても明らかだ。
チームディフェンスが構築できなかったのは、けが人やコロナにより、シーズン終盤まで全員揃って練習や試合ができなかったことも多大に影響した。
「来シーズンは、まずはサンダーズのバスケットボールスタイルともいえる『文化』を作っていく1年になります」と、常勝軍団になるための土台作りに着手するという。
選手の補強では、「インサイドで高さが足りない部分があるので、高さはもちろん、ウチの強みである機動力のある選手ならチームにフィットするんじゃないかと思います」
吉田GMが描くサンダーズの理想像は、どんなチームなのだろうか。
「理想で言ったら、宇都宮が近いかもしれません。宇都宮の選手たちは、しっかりとチームバスケットボールを理解して、遂行している印象があります」
吉田GMの言うサンダーズのバスケットボール文化ができれば、今シーズンのファイナルを制してチャンピオンに輝いた宇都宮のように、近い将来、日本一のチームになる日も来るのではないだろうか。
よしだ・しんたろう/1982年、浜松市出身。中央大法学部卒業後、2005年にオープンハウス入社。17年、グループのオープンハウス・ディベロップメント(東京)常務執行役員就任。19年、オープンハウスがサンダーズ運営会社「群馬プロバスケットボールコミッション」を子会社化し、同社取締役を兼任。五十嵐圭選手の中央大学バスケットボール部の後輩にあたる。