写真家・福田健太郎さん 初公開作品も披露 高崎で
「写真は生きる喜び。一期一会の感動を大切に」
「朝日フォトコン2019」と「第5回朝日中学生高校生フォトコン」(県朝日新聞グループ会、ネッツトヨタ高崎主催)の入賞・入選作品展が14~16日に、合同表彰式が16日に、高崎シティギャラリーで開かれた。関連イベントの講評・講演会では両フォトコンの特別審査員を務め、カメラの世界で高い評価を得ている人気写真家、福田健太郎さんが登壇し、受賞作品の講評と、「写真をもっと楽しむ ―自然、風景、生命をめぐる旅―フォトコン上位作品講評会」と題した講演を行った。 (2面に関連記事)
作品講評では、受賞上位作品を1枚1枚スクリーンに映し出し、選ばれた理由や面白さを丁寧に解説。受賞者らに「好きなことを続けることが大事」とエールを送った。
続く講演会では、まず18歳で「写真家になろう」と決心した頃の顔写真を見せた。現在では、年間200日も日本中を巡り「森の中をモゾモゾと這いつくばって」撮影しているという福田さん。福島の桜や桜島の噴火など各地で出会った躍動する自然や生命を写した選りすぐり作品を紹介した。夜空を写した初公開作品が映し出されると会場は沸き、さらに「光」「気(気配)」「フレーミング」の3点に配慮し空間を演出することを説いた。「写真を撮ることは生きる喜び」、「人や風景との一期一会を大切に」と呼び掛けた。
中高生や写真愛好家など来場者らは、カメラの設定や部活の悩みなどの質問にも気軽に応答してくれるフォトグラファーの言葉に真剣に耳を傾け、会場は盛り上がった。
朝日フォトコン2019・大賞 神保 忠雄さん(62)
雲の上だと思っていた大賞、受賞した今、まさに『雲の上』!
「春の宵」
写真歴30年。コンテストは朝日フォトコン一筋で、10年近く応募して初めての大賞です。雲の上のことだと思っていましたが、受賞した今、まさに雲の上にいるみたいな気分になりました。本当に嬉しいです。
撮った写真は高崎の「みさと梅公園」の展望台です。去年の春分の日に、朝、昼、晩と撮りに行きました。人物を入れた風景写真が好きなので、今回も人がやってきた瞬間を狙い、人物にピントを合わせることに気を配りました。実は月例入選作の別作品に期待をかけていたのですが、思いがけず「春の宵」が選ばれ、意外に感じました。
これからも、人が見て「おっ」と喜んでくれるような写真を撮っていきたいと思います。今年度も大賞を狙いたいですが、上位2賞は連続して同じ賞への入賞ができない規定があるので、来年は年間最多賞を狙いたいと思います。
第5回朝日中高生フォトコン・大賞 前橋工高1年 糸井 舜樹さん(16)
偶然出合った場面。白と黒の対比を意識しました。
「孤独」
中学2年から自分の趣味として写真を始めて3年目。今年は写真部として活動する中でコンテストに初応募。驚きと嬉しさでいっぱいです。
作品は、夏祭りの帰り道に男の子が噴水のところにやってきたときの写真です。時間は昼過ぎ頃。始めは妹らしき女の子と2人で遊んでいたのですが、やがて妹の方がどこかへ行ってしまった後、男の子が噴水を一人眺めていたところを撮りました。たまたま出合った偶然の場面です。顧問の先生に助言をもらいながら、水柱の白と、人物の影との対比を意識して撮りました。
個人的には、コンビナートなどカッコイイ写真も撮っていきたいです。一方で、人物がいて物語があるような作品にももっと挑戦してみたいですね。これからも楽しみながら撮って、来年また大賞…とまではいかずとも、しっかりと賞に入れるように努力していきたいと思います。