朝日ぐんま高校野球特別号
2年ぶりの夏 思い込めて駆け上がれ 7月10日開幕
2年ぶりの甲子園かけ61チームが激突!
第103回全国高校野球選手権群馬大会が7月10~27日まで、県内4会場で開催される。昨夏は、新型コロナ感染拡大の影響で県独自の大会だった。2年ぶりの甲子園出場をかけ、66校61チームが激戦を繰り広げる。
今夏、部員不足で連合チームとなったのは、「四ツ葉中等、榛名、下仁田、板倉」と「前橋西、尾瀬、嬬恋」の7校2チーム。また、感染防止のため開会式は、上毛新聞敷島球場で開幕試合に出場する太田と明和県央の2校のみで行う。
今年は春の関東大会県予選終了後からこれまで、部活停止こそなかったものの、5月に「まん延防止等重点措置」が適用され、公立校および一部私立校では同措置が解除される6月13日まで対外試合を行えなかった。
限られた時間の中でチーム作りと最終調整を進めてきた各チーム。昨年の思いも込めた熱い夏が、幕を開ける。
選手宣誓は、明和県央の萩原晃
選手宣誓に決まったとき、「ちょっと驚いた」と明和県央の主将・萩原晃来。抽選前に、「選手宣誓を引くよ」と仲間に宣言していたからだ。4月1日の練習試合で膝の半月板を損傷し、全治6か月の診断。「早くみんなと野球がしたい」一心で、手術後は、毎日通院し、リハビリを続けた。その甲斐があり、6月中旬の練習試合に出場し、代打でヒットを打った。仲間からの「ナイスバッティング」の言葉に「やっとチームに戻れる」とうれしさがこみ上げたという。選手宣誓では、新型コロナウイルスの影響による苦難や、甲子園を目指せる喜びなど、様々な思いを込めて言葉を紡ぐ。
ブロック別戦況
※データは選手名、学校名、学年、ポジション、身長・体重、投・打、特徴の順
Aブロック シード校/関学大附、前橋東
育英、関学、桐一 強豪そろう激戦ブロック
春に優勝した関学、秋の覇者・桐生第一、そして前橋育英の、強豪私学3校がそろう激戦ブロック。関学大附は、最速140㌔中盤の篠原と石原が球速アップに励んでいるほか、好投手を打ち崩すため攻撃力も磨き、初の甲子園出場を狙う。育英も右腕・外丸、左腕・菊池、攻守の要である皆川を中心に大会5連覇を目指す。桐一は、1年生4人がメンバー入り。エース神宮とバッテリーを組むのも1年生の中山。勢いに乗ると怖いチーム。
石原 勇斗
関学大附 3年 投手
170㎝・71㎏ 右・右
最速144㌔の直球とキレのあるスライダーが武器。制球力の高さが魅力。
Bブロック シード校/太田、市立太田
開幕試合の太田vs明和県央、初戦の樹徳vs市太田に注目
春ベスト4の太田に加え、樹徳、市立太田、明和県央が軸。太田は、投打に活躍が期待される左腕・大舘、4番の川緑を中心に、まずは初戦突破で勢いをつけたい。対する明和県央は、エースの関口が夏に向け力をつけたのが好材料。樹徳は柏崎、對比地の二枚看板に、30本以上の本塁打を放っている佐藤、津田の打撃力で、頂点に挑む。市立太田は、好投手の大澤と打率5割超の大和田の活躍が、勝利の鍵を握る。
大舘 陽七薫
太田 3年 投手
174㎝・75kg 左・左
最速130㌔の直球とカーブ、チェンジ
アップを駆使して打者を打ち取る。
Cブロック シード校/東農大二、健大高崎
健大、農二が軸 前商の上位進出にも期待
小澤、森川を核に、県内屈指の打撃力を誇る健大が一歩リード。最速140㌔後半のエース今仲ら投手陣の活躍にも期待。春に準優勝した農二は、強肩捕手の吉田、健大を零封した左腕・黒岩のバッテリーがどこまで踏ん張れるか。ベスト4常連の前商も夏に向け、力をつけたチーム。多彩な変化球を持つ茂田を中心に、打たせて取るピッチングと、上位から下位までの切れ目のない打線で、92回大会以来の甲子園出場を虎視眈々と狙う。
小澤 周平
健大高崎 3年 内野手
172㎝・73㎏ 右・左
本塁打は50本超えと
抜群の打撃センスを誇る。
1年次から不動のレギュラー。
Dブロック シード校/館林、高崎商
混戦ブロック 館林、高商の公立校が優位
館林、高商、商大附、利根商が優位か。館林は、秋・春4強入りの際、活躍した右腕・宮村と小沢のバッテリーと強肩・稲村の活躍がポイント。春に8強入りした高崎商は、二塁送球1.8秒の捕手・渡邊を中心に守備からリズムを作り、創部100周年の甲子園を目指す。秋・ベスト8の商大附は、度胸のある投球の齋藤がチームを勢いづける。名将・福田監督が率いる2年生主体の利根商は、粘り強い守備で上位進出を狙う。
稲村 竜暉
館林 3年 内野手/投手
170㎝・67㎏ 右・右
どんな投手からでも力強いライナーを打つ。
内外角共に対応でき、変化球にも強い。
投手としては制球力がある。
写真協力:富澤好克