経団連は昨年10月、企業の採用解禁日などを定めた指針を2021年春入社の学生から廃止することを決定しました。これに反発したのが各大学。「就職を意識してしまい、学業がおろそかになる恐れがある」と主張しています。
本当にそうでしょうか。この「就活」と「学業」があたかも対立軸のように語られることこそ、問題だと考えています。就活や社会との接点を通じて学業の大切さを実感することこそが重要で、それぞれ共存しうるものなのではないでしょうか。
自身の行っている研究や勉強が社会に出てからどのように生かさせるか分からないから、勉学もおろそかになる。まずは社会理解の場が必要で、勉学が社会とどのようにつながるかを自分で気づく機会が必要だと考えています。
そこで、当社では企業と学生の出逢いの場作りを行っています。県内の学生が学年・大学関係なく20~30人のクラスとなり、様々な社会人の方の話を聞いて回るゼミ「キャリコゼミナール」を企画、主体的に社会を学びたくなる素地の形成支援をしております。
「社会との接点を通じた理解が進むことで、大学の勉強も面白くなる」そんな場所が地域に必要だと考えているからです。親、先生、バイトでしか社会と関わる機会がない県内の学生にとって、早期化している就活は悲劇でしかありません。
先日、「県内大学に行かなくて良かった。社会と接する機会が少ないしキャリアの選択肢が狭まる」 本県出身で都内大学へ通う学生からこんなことを言われました。筆者も県内大学を卒業しているので、大学の場所でキャリアが狭まるとは思いません。場所ではなく、すべては自分の4年間の行動だと思っています。この記事を読んで興味を持ってくれた学生は、ぜひ我々のゼミの門戸を叩いて欲しいと願っています。