2支援団体「ハレルワ」「アリスの広場」
4月オープンへ資金募集
不登校、引きこもり、LGBT-様々な悩みを抱える人や、彼らに寄り添う人たちが気軽に集まれる居場所を作りたい! 県内のセクシャルマイノリティー(LGBT)支援団体「ハレルワ」と、不登校や引きこもりの若者を支援するフリースペース「アリスの広場」は、前橋の中心市街地に交流スペース「まちのほけんしつ」を開設するため、インターネット上で寄付を募るクラウドファンディング(CF)に挑戦している。受け付けは2月末までで、目標金額は120万円。4月のオープンを目指し、両団体メンバーは日々奮闘中だ。(中島美江子)
改修費をCFで
「もうちょっと下まで塗って」「壁、綺麗になったね」-昨年末、オリオン通りの空き店舗で、メンバー同士が和気あいあいと改修作業を行っていた。両団体は、かつて店舗兼住宅として使用されていた3階建ての建物を交流スペースに生まれ変わらせるため、昨夏から開設準備を進めている。
長年、空き店舗だったため床や壁の一部は朽ち、室内には大量のゴミなどが放置されたままだった。自力で出来る限り修理や撤去を行い、素人では難しい電気配線やガス工事などの費用をCFで調達するという。
協働で広がる可能性
両団体は、アーツ前橋で行われた企画展「表現の生態系」への参加を機に知り合い、昨年2月から共同スペースの開設を模索してきた。
2015年発足の「ハレルワ」は、LGBT(性的少数者)の当事者だけでなく様々な不安を抱える人たちを支援するため前橋や高崎で月1回の交流会を開くほか、SNSやメールでの悩み相談を行っている。間々田久渚代表(28)は、「県内外から参加してくれますが、車のない中高生などは郊外の会場に来るのも一苦労。直接、会って安心して話がしたいという声も多く、常設スペースの必要性を感じていました」と話す。一方、不登校と引きこもりの当事者だった佐藤真人さん(38)が2014年に開設した「アリスの広場」は現在、市内に事務所を構えているが、「相談件数や参加人数の増加に加え、運営面からも移転を考えていた」という。
「新拠点を作りたい」「悩みを抱えている人を支援したい」 同じ目的を持って活動してきた佐藤代表と間々田代表は、「LGBTと引きこもり、不登校は一見、関連のない問題のように思われがちですが、実は密接に絡んでいるケースも多い。協働することで単なる物件シェアにとどまらず、より多様な悩みに応えられるようになり活動の幅や可能性が広がると感じています」と話す。
多様な声を尊重
交流スペースの1階は、オープンスペースとして誰でも利用できるカフェや図書コーナーを設け、2階は両団体の事務所に、個別相談ができるカウンセリングスペースなどを併設するという。
開設には、内装工事に最低でも120万円がかかるため、両団体は2月29日午後11時まで、クラウドファンディングサイト「READYFOR」(https://readyfor.jp/projects/matihoke)で寄付を受け付けている。
佐藤代表と間々田代表は、「多様な性や生き方が尊重され、自分らしくいられる場所は誰にとっても大切。生きづらさを抱える人たちが安心して集まれる居場所作りに是非、ご協力お願いします」と呼びかける。