昨秋、運動部とは無縁だった息子が友の誘いで、新人戦の助っ人として突如、ラグビー部に入部した。
今年2月に初戦のはずだったが、相手の棄権により2回戦でいきなり優勝候補と対戦することに。「力に差があり過ぎて危険」という監督の判断で結局、自校も棄権した。期待と不安の中で我が子の初舞台を観覧する予定だったが、残念ながら叶わなかった。
そこで終わりかと思いきや、すかさず「次は5月の高校総体に出てほしい」と再び要請が入る。仲間と汗を流す時間が楽しいらしく、引き続き部員として練習に参加したが、コロナの流行でまたしても公式戦出場の夢は消えた。
今度こそラグビーとはサヨナラか、と母は内心安堵していたが、2学期が始まると今度は「10月の全国大会県予選に」と、まさかの再々オファーが!
激しいスポーツのため、親として最初は参加自体を心配していた。だが、こうなると、我が子がラガーシャツを着てグラウンドに立つ姿を1度でいいから見てみたい。幸いにも、息子の入試の後に試合日程が組まれている。
果たして三度目の正直となるか? 試験も試合も悔いなく戦い、高校3年生の数少ない思い出の一つに加えられるよう、密かに祈る。
(上原道子)