先日、久しぶりに大学時代の友人から電話が来た。「Oくんが、すい臓がんで亡くなったよ。早期検診大切だね」。働き盛り50代の友人が逝ってしまった。かつて一緒に時を過ごし人気者の彼が。
悲しいお知らせに、他の同級生がどうしているのか友人の名前を挙げながら、情報交換をし合った。元気でいればいいが、若い頃と違って山あり谷あり。良いことだけでもない。「実は私、緑内障なんだよね」と友人はポロリ。「私も8年前、娘が高校生の時にガニーだったよ」と告白した。「ガニーって何?」と笑う友人。ガニーとは、脚本家の三谷幸喜さん(60)が、著書「ボクもたまにはがんになる」の中で名付けた「がん患者」のこと。悲壮感なく早期の検査を受診するために、ユニークな呼び方にした言葉だ。大河ドラマ「真田丸」執筆中の5年前に、早期の前立腺がんが見つかり、手術をしたことを三谷節で語っている。「そういえば、Oくんと一緒に三谷さんの芝居を観に行って大笑いしたね」と奇遇な思い出も飛び出した。統計によると、日本人は一生のうちに2人に1人ががんと診断される。
「たまにはガニー」。忘れかけていたが、再びドキッとした。「健康に気をつけて、コロナが終わったら絶対会おうね」と友人と約束をした。
(谷 桂)