平成最後の夏は災害の連続だった。6月18日の大阪北部地震に始まり、同28日~7月8日には西日本豪雨、7月29日には台風12号が東から西へ逆走、9月3~5日には今世紀最強とされる台風21号による暴風・高潮が猛威を振るった。さらに同6日に発生した北海道胆振東部地震では最大震度7を観測。倒壊する家屋、吹き飛ぶ車両、崩れる山肌など、被害の様子を伝える衝撃的な映像が流れる度に胸が苦しくなった。
被災地の一日も早い復興を願い、募金などできる限りの支援を行いながら、我が家の防災対策を強化しようと備えを見直してみた。案の定、家具の転倒防止金具はいくつか緩み、備蓄していた水や食料も消費期限が切れていた。非常時の連絡先リストは、変更があったのに書き換えを怠っていたことに気付いた。
しかし、こうしたハード面の整備よりも、有事の際、どう身を守り、離れた家族とも連絡を取り、助け合うかといったソフト面の見直しの方に心を砕いた。特に私と夫の両実家は東京にあり、親たちは高齢で健康不安も抱えている。まずは行政が提供している無料で利用可能な高齢者支援を調べ、見守りサービスと緊急時通報システムの整備を依頼した。
また、昨年春から大学に進学し東京で暮らす長男のアパートにも出向き、家具の耐震金具を確認し、非常用持ち出し袋とヘルメットを玄関先に備えてきた。これらが役立つ「その時」が来ないことを祈りつつ。
(野崎律子)