私は前橋のまちなか生まれ。実家は婦人服小売業でまちなかに何店舗かお店があり、高校生の頃はそこに寄ってから帰っていた。まちは学生で溢れていた。
バブルの時代には、実家も郊外のショッピングセンターへ出店。私も東京の大学に進学し、群馬にUターン就職した時には、まちなかはシャッター街と呼ばれるようになっていた。
色々な思いもあったが、その後も前橋に住んで、子育てをして、仕事をする中で、縁あって「まえばしCITYエフエム」のラジオパーソナリティーになる。情報発信をしながら、前橋との距離がどんどん縮まっていった。一方で、2017年には、前橋市創業センターに、創業者支援をしながら人と人とをつなぐカフェをオープン。
そこから群馬のソウルフード焼きまんじゅうの味をそのまま再現した「焼きまんじゅうマフィン」は、うれしいことに、前橋お土産コンテスト2019グランプリ受賞した。20年には製造販売拠点となる住吉町の「MOO CAFE」をオープンし、会社「MOO―FACTORY」を立ち上げた。店内では、企画展や販売会などを開催して、まちと人をつなぐ試みを行っている。
私の経歴は家業の「糸」から始まり、様々な人と糸でつながるように撚られながら歩みを続けている気がする。一人の力は非力でも、糸を紡いで布を織りなすように点が線になり面になっていく。
今、まちなかは新しいものと歴史あるものが融合するまちへと変わってきている。変わっていくもの、変えるもの、守るもの。前橋のこれからを輝かせるのは前橋人自らが当事者意識を持つことではないだろうか。その先にいる観光者がも見据えて。まずは私たちが前橋を楽しもう！
