含鉄泉を楽しむ [高崎市倉渕町にある「はまゆう山荘」…]

上州日和タイトル

高崎市倉渕町にある「はまゆう山荘」。実はここから湧出している温泉の泉質が大きく変化した。かつては「塩化物泉」だったのに、「含鉄泉」になっていたことが、10年に1回の分析結果からはっきりしたという。鉄の成分は、57㍉グラムと前回の約3倍を検出。20㍉グラム以上で「含鉄泉」というから、かなりの高濃度だ。この泉質の公共浴場は県内ではここだけとか。

先日、取材の機会を得る。支配人の塚越育法さんは、「群馬で唯一の含鉄泉を、もっとPRしていきたい」と真剣だ。私もすぐさま、大浴場に直行。以前、入浴したのは10年前。黄色いお湯と覚えているが、果たして…。浴場の扉を開けると期待に違わず、とうとうと茶褐色のお湯がたたえられていた。足先が見えないほど深い色の湯にゆっくりと身を沈める。わずかな鉄のにおいと塩分。すぐに体の芯からじんわりと温まる。評判通りお肌がツルツルになり、まさに「美肌の湯」だ。

高崎市街地から約1時間。烏川源流域にある大自然の中で、一軒宿の温泉の魅力に触れて癒され、満足感を味わった。日本の温泉文化を「無形遺産に登録しよう」という動きがある中、群馬のめずらしい温泉を楽しめた。温泉大国群馬あっぱれ。

(谷 桂)

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