9日、第104回全国高校野球選手権群馬大会が開幕した。上毛新聞敷島球場は早朝から、選手や保護者、高校野球ファンたちの熱気に包まれていた。
晴れ渡った夏の空が広がる朝8時すぎ、吹奏楽のファンファーレを合図に、出場する全61チームの入場行進が始まった。かけ声に合わせて力強く腕を振ったり、まぶしそうに空を見上げて一歩を踏みしめたり……。チームや選手ごとにそれぞれの気持ちの高ぶりがひしひしと伝わってくる。観客席から自然にわき起こった手拍子をしながら、入場行進の時間を堪能した。
3年ぶりとなる全校入場となった開会式。その前の日のリハーサルから、球場は高揚感に包まれていた。8日午後3時半から始まったリハーサルでは、入場行進の先導役を務める桐生第一の野球部員、金子惇人さんを先頭に、市立前橋の生徒がプラカードを掲げてグランドを緊張した表情で歩いていた。高野連の先生たちから、プラカードを一斉に掲げるタイミングや全チームがそろって前進する時の速度などを指示されながら、翌日の本番に備えていた。
前橋育英吹奏楽部の部員たちも本番さながらの力のこもった演奏を続け、アナウンス役の2人も台本を見ながら声を合わせる。約1時間にわたったリハーサルが終わるころには、みんな汗だくだった。
開会式では、選手の表情も選手たちを見守る人たちも、みんなぴかぴか輝いて見えた。光あふれるグラウンドは、いろんな人たちの思いが詰まってできあがるのだな、と知った。
(朝日新聞社前橋総局長 宮嶋 加菜子)