大切な友の存在が創作の原点
みどり市の富弘美術館では、詩と絵とを組み合わせて作品を制作する詩画家・星野富弘さん(76)の企画展「放課後」を11月27日まで開催している。
幼いころから体を動かすのが大好きだった富弘さん。学校から帰ると友人と外に飛び出し、仲間と一緒に野や山を駆け回っていた。また、学生時代に夢中になった器械体操と登山を通して、仲間と友情を育む。その後、教員になってクラブ活動の指導中、頚髄を損傷して入院生活を余儀なくされた時には、見舞いに来てくれた友達が大きな心の支えになったという。
企画展では、「君子蘭」、「さくら」など富弘さんが出会った「友」をテーマとする詩画作品を、エッセイや関連資料を交えて紹介している。さいたま市から訪れた男性は、「富弘さんの詩画が大好きで初めて来て、心にしみる作品でした」と話した。相﨑ちひろ学芸員は、「創作の原点は、多くの友達が見舞いに来てくれたことに対して、お礼の手紙や絵を自分で描きたいと思ったことです。友人の存在が大切だったのでしょう」と語る。
今月29日午後1時半からは、星野さんに加え、旧友の渡辺護さん、同じく旧友であり同館館長の聖生清重さんによる「学生時代の思い出」をテーマにした鼎談(ていだん)が行われる予定。このほか、11月12日午後2時から学芸員によるギャラリートーク、10月22日と11月26日(午前10時半と同11時半)は「杲(ひので)の会」による定期朗読会。午前9時~午後5時。一般520円、小中学生310円(28日の県民の日無料)。同館( 0277-95-6333 )。