朝日新聞群馬版では新年から、新しい企画連載「マイ・トレジャーぐんま」を掲載している。群馬に暮らすひとり一人が、それぞれの暮らしの中で大切にしている時間、場所、人とのつながり、そんな誰の心にもある「宝物」を巡るストーリーを、県内の記者たちが取材し、掲載している。
勝ち負けだけではない目標を目指して練習に励む高校球児、地域住民の笑顔をカメラで撮り続けるカスタネット職人、特産品作りに奔走するキャベツ農家の女性、前橋市の中心市街地で生まれている新しい人とのつながり、群馬で生み出されているスバルの技術やハーゲンダッツの味、「無人駅」を巡る物語、近代化産業を支えた歴史を伝える鉄山跡……。これまでにさまざまな「トレジャー」を見つけ、紙面で紹介してきた。これからも随時掲載予定なので、ぜひ楽しみにしていただきたい。
記事を読んでいると、登場する人たちの心の豊かさを毎回感じて、日常の風景が少し変わって見えてくる感覚になった。そしてふと考えてみた。私にとっての「群馬の宝物」って何だろう、と。
群馬で暮らさなければ出会えなかった人や仕事や味覚や景色や……。365日暮らせば、それだけ毎日新しい出会いがある。ここで感じてきた喜怒哀楽、それぞれが「宝物」と思えるように、今日もがんばろう。職場で、いただきもののだるまを見ながら、そう感じている。
(朝日新聞社前橋総局長 宮嶋 加菜子)