私の生まれ育った前橋は、かつては賑わいにあふれた街でした。しかし、高度経済成長期を過ぎるころからまちなかの賑わいは失われて来てしまいました。
波宜亭(はぎてい)倶楽部は、前橋の歴史や文化、さらには前橋が生んだ近代詩人・萩原朔太郎をキーワードに、まちの活性化を目指して活動している団体です。「波宜亭」は、明治・大正期に、現在の前橋市中央児童遊園(るなぱあく)の場所にあった茶店です。朔太郎が詩「波宜亭」を残しており、足繁く通ったといわれています。
倶楽部は2000年に発足、3年後にNPO法人化。まちづくりや歴史・文化に関する講演会やまち歩きの開催、波宜亭の名物であった「萩の餅」を復元、販売なども実施してきました。また、06年から3年間は、るなぱあくの指定管理者としてその運営にも携わりました。
その後も市のイベントへの参加など、活動を継続してきたもののコロナを機に一時休止せざるを得ませんでした。しかし、このまま行くと倶楽部自体が衰弱しかねないという危機感から1年ほど前に再開。先月にも専門家を招き路線バスに関する講演会を行いました。
今月19日には、前橋まち歩き「芝居小屋を歩く」を実施します。芝居小屋は、生糸のまちとして繁栄した前橋で市民の娯楽の場でした。活動写真が盛んになると映画館が娯楽の中心に。その映画館も平成に入ると栄枯盛衰。県庁所在地としては異例ですが一時、前橋は映画館の無い都市となりました。今回、当倶楽部の理事で演劇人でもある中村ひろみが、市内の芝居小屋と映画館をご案内します。一緒に前橋のまちを歩いてみませんか。
■3月19日の「前橋まち歩き―芝居小屋を歩く」は午後1時、マチナカさん(千代田町2-11-1)集合。参加無料。要事前申込(定員20人、田中=090-6947-5156まで)。詳細はfacebook(https://www.facebook.com/hagimaya/)へ