サッカーJ2 [ザスパクサツ群馬](Vol.28)

笹川裕昭のスポーツコラム

好調ザスパ!後半戦へ- 「史上最高の成績をつかめ!」

大槻体制2年目、チームはより一体となった戦いで好調を維持する

開幕から好調を維持するザスパクサツ群馬の戦いも、まもなく折り返しを迎えようとしています。19節金沢戦を終えて、8勝5分6敗、勝ち点29で9位。J1昇格プレーオフ圏内の6位ジュビロ磐田とも勝ち点差1としっかりと上位争いを続けています。今シーズンの好調さはいかほどのモノか。過去3シーズンで見ても、リーグの折り返しとなる21節時点で、2022年18位、21年20位、20年21位と、その差は歴然です。

万年、残留争いに苦しんでいたチームが、なぜ好成績を出せるようになったのか。その要因は、2年目を迎える大槻毅監督のもと、統率されたチームサッカーが実践できている事です。攻撃では、ボールを保持し、動かしながら相手の隙を伺い、連動しながらゴールを奪う。守備では、ゴール前の粘り強さだけでなく、チームとしてどのように守るかという事が落とし込まれています。大槻監督がチームをまとめるカリスマ性だけでなく、皆の歯車がかみ合い、チームとしてやるべきことを徹底できているからこそ、一体感を持ったサッカーで、好成績につなげることができているのです。

今シーズンの目標は、まだクリアしたことがない、「勝ち点50、16位以内」という目標です。現状を考えれば、今シーズン、一度の連敗もなく、好不調の大きな波もありません。このまま行けば、残留争いに巻き込まれることなく、当初の目標をクリアすることはできるでしょう。ただ、大槻監督はじめ、選手たちは、「大切なのは終わった時の順位。そのためにひと試合、ひと試合を戦うだけ」と目の前に集中しています。

残留争いが当たり前だったザスパを考えれば、現状の好成績に安堵してしまいがちですが、選手たちは、毎試合の勝利を、そして、ひとつでも上の順位を目指して熱い気持ちを抱きながら日々の練習に取り組んでいます。残留争いならば、「負けないこと」が大事ですが、上に行くためには、「勝つこと」が大事になります。そのためには、全体の底上げが不可欠です。

いつも試合に出ているレギュラー選手たちも、年間を通じてとなると、調子のいい時、悪い時があるものです。その時に、代わって活躍できる選手がどのくらいいるのか? レギュラー選手を脅かせる選手がどのくらいいるのか? それが大事なポイントです。

チームの好調さの影で、試合に絡めなかった選手も多くいます。悔しい思いをした選手たちや、その中で、努力し、成長した選手たちの力もプラスして、ザスパ史上最高のシーズンをつかみ取りましょう。

笹川裕昭
Sasagawa hiroaki

1978年3月28日生まれ、埼玉県さいたま市出身、大東文化大卒。ラジオ局エフエム群馬で、アナウンサーとして、スポーツ実況や朝夕のワイド番組に出演。現在は、株式会社フットメディアに所属し、スポーツ実況を中心に県内外で活動。個人サイト「SASAnote」(https://sasanote.net/)を運営し、県内スポーツの情報発信も行う
Twitter:@hiro3sa
Instagram: hiro3sa_insta

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