原画やインタビュー映像など見どころたっぷり

 

企画展 「あんびるやすこ作品展」

「なんでも魔女商会 『お洋服リフォーム支店』」(2003年 岩崎書店)©2023 Yasuko Ambiru

当館では現在、企画展「あんびるやすこ作品展」を開催しています。「なんでも魔女商会」や「ルルとララ」など、各作品の原画を中心に展示し、あんびるやすこさんの表現世界を紹介しています。

あんびるさんは前橋市出身の絵本作家・児童書作家です。テレビアニメーションの美術設定やおもちゃの企画デザインなどの仕事を経て、絵本や児童書の創作活動を始めました。

「魔法」「おさいほう」「お菓子作り」「ハーブ」「宝石」などをとおして描かれる、華やかでかわいい物語の世界。思いやりや頑張ることの大切さなどが飾り立てることなく自然に語られ、登場人物と共に読者自身も成長していけること―。そんなたくさんの魅力を存分に味わうことができる企画展となっています。

「なんでも魔女商会 『夜空のダイヤモンド』」デザインページ原画(2012年 岩崎書店)

2023年に20周年を迎えた「なんでも魔女商会」は、現在も続いている大人気シリーズの一つ。本展では、各巻の表紙や挿絵の原画を多数展示しています。作中で、「おさいほう魔女シルク」が描くデザイン画ページの原画を見ると、本物の生地や糸巻き、ビーズなどが直接貼りつけられていることがわかります。それらもあんびるさんが手作りしたもので、デザイン画ページに込めた思いの強さが感じられます。

また、初期の絵本作品の原画や、現在も続いている「ルルとララ」「魔法の庭ものがたり」「ムーンヒルズ魔法宝石店」各シリーズの原画も多数展示しています。紙の質感や手書きの筆のタッチ、色の美しさなど、原画ならではの魅力を感じることができると思います。原画に加え、ラフ原稿や愛用の色鉛筆、クレヨンなども展示しています。

そのほかにも、「なんでも魔女商会」と「魔法の庭ものがたり」のフォトスポットや、展示室で紹介している本を手に取って読める読書コーナーを設置しています。映像展示室では、あんびるさんへのインタビュー映像を視聴することができるなど、見どころたっぷりの企画展となっておりますので、ぜひ土屋文明記念文学館へ足をお運びください。

土屋文明記念文学館 学芸係
長谷川 誠 さん

高崎市(旧吉井町)生まれ。2003年から教員として県内の小中学校で勤務。2022年4月、県立土屋文明記念文学館学芸係として赴任。2023年1月、第118回企画展「文学者の愛用品」展を担当

県立土屋文明記念文学館
■高崎市保渡田町2000 ■ 027-373-7721 ■9月3日まで
■午前9時半~午後5時 ■火曜休館■一般500円、大高生250円、中学生以下無料
■8月26日午前10時~「おさいほう魔女『シルク』になって写真撮影」(先着20人、午前9時半から整理券配布)、8月27日午後2時から展示解説会(要企画展観覧券)

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