県内にはたくさんの橋があり、秋の紅葉とコラボし「絵になる」風景を作り出しています。今週は、例年10月下旬から11月上旬にかけて見ごろを迎える県内の紅葉スポットの中から「橋」をテーマにピックアップ。絶景が望める橋や、橋と紅葉のコラボレーションが楽しめる場所などを、周辺のレジャーとあわせて紹介します。 (上原道子)
※写真は全て過去のもの。紅葉の時期は気候や天候により変わるため、必ず事前に問い合わせを。
碓氷峠 × めがね橋
色づく山背景に重厚感あふれるレンガ橋
「めがね橋」の名で親しまれている碓氷峠中腹の国指定重要文化財「碓氷第三橋梁」周辺は、旧国鉄・信越本線横川- 軽井沢間で使われていた鉄道橋。1892年完成。高さ31m、長さ91mと、日本最大級の4連レンガアーチ橋で、急こう配を上り下りするための「アプト式」というレールが敷かれていたが、新線開通により1963年に廃線となった。国道18号(旧道)から橋上へ通じる道や、廃線を利用した遊歩道「アプトの道」(横川駅-旧熊ノ平駅間の約6㎞)が整備され、橋上から周囲を俯瞰できる。また、色づく山を背景にした重厚感あふれる鉄道遺構の風景が楽しめる、県内有数の紅葉スポットだ。安中市観光課( 027-382-1111 )
※現在、旧道は、めがね橋の先の熊ノ平駐車場までは通行可能だが、その先は台風7号の影響で一部通行止め。
■碓氷峠(安中市)
安中と軽井沢(長野県)との県境にある峠(標高956m)。童謡「紅葉(もみじ)」の歌詞が誕生したと言われる紅葉の名所。
伊香保温泉 × 河鹿橋
闇に浮かぶ紅葉と朱色の太鼓橋の共演
温泉街から奥に進んだ湯元(源泉地)近くには、湯沢川に架かる「河鹿橋(かじかばし)」(1993年完成)がある。自生するモミジ、カエデ、クヌギ、ウルシなどが鮮やかに彩る、人気の紅葉スポットだ。
24日~11月12日はライトアップ(午後4時半~同10時)が行われ、闇に浮かぶ紅葉と朱色の太鼓橋とによる幻想的な光景が繰り広げられる。土日祝日は石段街から無料シャトルバスも運行。 渋川伊香保温泉観光協会( 0279-72-3151 )
■伊香保温泉(渋川市)
榛名山麓の渋川市伊香保町にある日本の名湯。南北朝のころにはすでに文献に登場している歴史ある温泉。
高津戸峡 × 高津戸橋・はねたき橋
シンボル的な2本の橋からの雄大な眺め
高津戸峡のシンボルとなっている2本の橋「高津戸橋」と「はねたき橋」の間には全長約450mの遊歩道があり、散策しながら峡谷の紅葉狩りが楽しめる。
わたらせ渓谷鐡道の大間々駅近くにかかる赤い鋼製のアーチ橋「高津戸橋」からは峡谷が一望できる。21日から11月23日まで同橋近くのながめ公園では恒例の「関東菊花大会」が開催される。
一方、高津戸橋より川上にある、三角形が特徴の「はねたき橋」=写真=は、全長120m、全幅3.5mの歩行者専用橋。橋の名は、この橋下の流れが急で、水が飛び跳ねる様子が滝のように見えたことに由来するという。川下の高津戸橋から紅葉の中に映える三角の形が望める。同市観光協会( 0277-46-7289 )
■高津戸峡(みどり市)
渡良瀬川中流にある高津戸峡は、吾妻渓谷と並び「関東の耶馬渓」とも称される。「ゴリラ岩」「スケルトン岩」などの奇岩が点在するほか、約150万年前に作られたとされるポットホール(おう穴)なども見られる。
八ッ場ダム × 八ッ場大橋・不動大橋・丸岩大橋
上から下から ダム湖を鑑賞
2014年に開通した「八ッ場大橋」は、全長494m、高さ73.5㍍。ダムの堤体わきに設置されている展望台「やんば見放台」からは紅葉と八ッ場大橋とのコラボも楽しめる。ダム湖の中ほどに架かる全長590mの「不動大橋」(2011年開通)は、落差90mの壮大な「不動の滝」の観賞スポット。近くの「道の駅八ッ場ふるさと館」には足湯(無料)もあり、橋やダム湖、町のシンボル的な山「丸岩」などが一望できる。Y字型橋脚が特徴の丸岩大橋(2009年完成)近くのドライブイン「湖の駅丸岩」からは湖面を周遊する水陸両用バスが運行し、橋げたをくぐったり、水上から紅葉を眺めたりと、普段とは違う角度からダム湖を楽しめる。同対策事務所( 0279-68-5511 )
■八ッ場ダム(長野原町)
八ッ場ダムのダム湖「あがつま湖」には、湖面を横断する3本の大型の橋が架けられている。いずれもダム建設に伴い造られた。
吾妻峡 × 猿橋・鹿飛橋
渓谷美と紅葉のコントラスト
吾妻峡に沿って整備された遊歩道の途中にある「猿橋」は、江戸から大正期にかけ実在していた木橋だったが、東吾妻町が2017年、当時の構造をもとに復元。渓谷美が撮影できる写真スポットとして人気が高い。一方、朱色の「鹿飛橋(しかとびばし)」は、未舗装のハイキングコース上にあり、高さ約50mの橋げたから赤や黄色に色づいた木々や渓谷美を観賞できる。八ッ場ダム水源地域対策事務所( 0279-68-5511 )
■吾妻峡(東吾妻町・長野原町)
国指定名勝「吾妻峡」は、吾妻川に沿ってできた吾妻渓谷の一部。八ッ場ダム堤体より下流側に多くの奇岩や展望スポットが点在しており、切り立った岩肌や清流、カエデやクヌギなどの色づいた木々とが調和し絶景を生み出す。