子どもが泣いても、歩き回っても大丈夫な親子コンサートを(vol.232)

 

児童虐待防止をきっかけに始まったコンサートの様子

シンガーソングライターの私が、児童虐待防止に関心を寄せ始めたのは、子育てがきっかけでした。電車で泣き叫び、スーパーの店内で走り回る我が子を叱ることばかり。「どうして叱ってしまうのだろう」と自己嫌悪に陥り、危うく苦しい日々を経験しました。

次第に「子どもを守るためには、まず親が心に余裕を持つことが大事」と気付き、1年前から親子向けに「子どもが泣いても、歩き回っても、ステージに上がっても、楽器に触っても良いコンサート」を始めました。

コンサートでは、ジャンプしたり、歌って楽しさを表したりする子どももいれば、静かにじっとこちらを見つめる子もいる。その時に必ず「皆それぞれ、喜び方が違ってもいいよ」と声かけをしています。社会では時に、一緒の行動が取れないと問題になることがありますが「皆それぞれの個性があるって、とても素晴らしいこと」と伝えています。参加した親が「他の子どもと比べる必要はないんだ」「子どもを好きなようにさせていいんだ」と気付くことが子育てへの安心感につながります。親がリラックスすると、子どもも気持ちが良くなり、スヤスヤと寝てしまったり…。楽しんでいるそれぞれの姿に私の方が感動し「本当にやって良かった」と思っています。

会場では主宰するLINE相談窓口を案内していますが、例えば、職場復帰のことや子どもの発達障害など、多くの相談が寄せられました。子育てに困難さを抱える方と早期につながることができ、手ごたえを感じました。子どもの問題を親だけで解決しなくてもいいように、親子の心が閉塞しないように、活動をもっと広げたいと思っています。今度は、県や市町村の皆さんと一緒に児童虐待防止事業に取り組めたらうれしいです。

玉城ちはるHP https://tamakichiharu.com/

シンガーソングライター
玉城 ちはるさん

【略歴】1980年生。群馬県高崎市在住。歌手、家族相談士。10年間で36名の養護施設出身者や留学生と共同生活を行った。2014年メジャーデビュー。全国で講演「命の参観日」を行う。LINEでの相談も受け、登録者2100名超

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