挑戦と旅立ちと、お別れと [「春からアメリカの大学に留学して野球をやります」。…]

「春からアメリカの大学に留学して野球をやります」。先日、母校・東京農大二高校の後輩、新井綱師君から電話がありました。留学先は米ワシントン州のピアスカレッジ。NWACリーグに所属し、スポーツが盛んな大学です。新井君は投手で、大学からは変化球のキレや制球力が評価されました。スポーツトレーナーの勉強をしながら野球に打ち込むそうです。甲子園で注目された岩手・花巻東高の佐々木麟太郎選手が、スタンフォード大に進学するニュースが出たばかり。若い人たちの新しい挑戦と旅立ちを応援したい気持ちです。

3月はお別れの季節。そんな希望の旅立ちがあれば、寂しいお別れも。今回で朝日ぐんまが休刊となります。1983年の創刊のとき、私は小学6年生でした。数年後、上毛新聞がスポーツ情報を集めた別刷りを入れましたが、それより早く、朝日新聞は地域情報を集めた朝日ぐんまを折り込み、自宅で読んだ記憶があります。父が銀行員で、わが家では日経新聞も入れた3紙を購読していました。

インターネットの発達に伴い、残念ながら新聞を購読する家も減り、部数は減少の一途。昨今の用紙代の高騰もあわせ、残念ながら発行を続けていくことが困難になったとのことです。読者のみなさまからは休刊を惜しむ声をたくさんいただきました。

しかしそんな時代でも新聞の役割が失われたわけではありません。権力監視や社会問題に対する多角的な論点の提示、文化芸術、スポーツ報道や活動支援、生活情報の共有等々――。前橋総局では、新しく取り組んでいる交流イベント「記者サロン」などを通じ、読者のみなさまとつながりを持ちながら、魅力ある新聞をお届けできるよう引き続き励んでまいります。

今年2月に開いた記者サロンに参加したみなさん=朝日新聞前橋総局

(朝日新聞前橋総局長 八木 正則)

 

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