50年を経て新たな一歩踏み出す
―今年の演奏会は、どのようなもの?
第51回を迎える今年の前橋第九合唱団演奏会は、最も期待される若手指揮者の角田鋼亮氏を迎え、我が国を代表する4人のソリスト(ソプラノ・種谷典子、メゾソプラノ・富岡明子、テノール・城宏憲、バス・今井俊輔)と群馬交響楽団の演奏のもとに行われます。まず、ヴェルディ作曲の歌劇<ナブッコ>より「序曲」と「行け!わが思いよ金色の翼に乗って」の曲を合唱。それに続きベートーヴェン作曲交響曲第9番ニ短調「合唱付き」が演奏されます。
「行け…」はイタリア人のあこがれの曲とも言われ、第2国歌として事ある毎に歌われています。郷愁を感じる曲は、一度聞いたら忘れられなくなる名合唱曲です。交響曲第9番「合唱付き」は、全国各地で暮れになると演奏されており、ベートーヴェンが願った自由・平等・平和を求めて、わが合唱団も世界の安寧を願って歌い続けています。
―合唱団は、どのように始まったのですか?
50年前に前橋の「音楽鑑賞会」が鑑賞を中心に例会を持っていましたが「鑑賞するだけでなく、自分たちも演奏する側に参加しよう」という考え方に変わっていきました。全国的な流れが起こっていたこともあり、当時は先進的な関西方面に視察して、群馬県内でいち早く取り組みました。
これまでは200人を超える団員によって演奏会を開催してきましたが、ここ4年間は新型コロナウィルスが流行し、歌うことや合唱することが難しく、練習会場や演奏会場も様々に制限されて利用できずに、困難な時期が続いてきました。それをやっと乗り越えて今年は136人の団員が集まり、勢いを盛り返してきています。
―演奏会の魅力は?
合唱メンバーは毎年5月から練習を始め、声を統一して歌っています。初心者でも誰でも参加できますが、7カ月間の練習をこなしていくと、次第に素晴らしいコーラスの一員となり、一緒に歌うことができると感じます。客席にワクワク感が伝わって、来た人が喜んで聴いて頂けるとうれしいです。素晴らしい指揮者・角田氏とソリストと共に世界平和を願う演奏は、きっと前橋第九合唱団50年の歴史を塗り変える一番充実した演奏会になることと思っています。
前橋第九合唱団団長 山田哲夫さん
51年前の前橋第九合唱団の発足時、テノールの助っ人歌い手として参加し、翌年から指導者。2021年4月から団長を務め、新型コロナの状況を乗り切っています。
■前橋第九合唱団第51回演奏会
12月17日。午後2時開演。ベイシア文化ホール大ホール。料金SS4,500円、S4,000円、A3,000円、B2,500円(全席指定)。チケットは、同ホール(027-221-4321)と煥乎堂(027-235-8111)及び前橋第九合唱団事務局(027-224-7331)