NPO法人ラッポルティは、高崎市内のほ場で安心・安全な野菜作りを目的に2019年より活動を開始した団体です。
何故「野菜作り」をしたのか。それはある時、若い親子の会話を聞いたからです。小さな子どもが「ママ、トマトはいつでも食べられるネ。お店で作っているから」と言い、ママも「そうだネ」と答えていました。
また、子育てをしていく中で、野菜嫌いの子どもたちがとても多いこと、そして、「食べたくないから」と食べずに捨てられる食材の多さを知り、愕然としました。
物が豊かで、あふれている時代。生きるための命の根源である「食」に対する認識がこれほど危機的であったとは。心配になった私は、青山正昭事務局長と共に賛同者を集めました。そして野菜が育つまでの過程―播種・管理・収穫までを親子で楽しく体験しながら、本来の「旬」「美味しさ」「野菜の成り立ち」を正しく伝える活動を始めました。
また、自然環境の厳しさや害虫駆除など、日頃学ばないことも体験させたりして、自ら栽培した旬の野菜を大切に食する「命のリレー」を伝えています。食事をするとき、手と手を合わせて「いただきます」と言います。「命をいただく」のはもちろんですが、野菜を育て調理し、初めて食事になります。この過程に携わった方々に感謝することを忘れてはいけないと、しっかりと伝えていきたいと思っています。
近年、離農される方も多くなる中で、農地の荒廃や農業技術の継承問題などにも、若い世代が興味を持ち主体となって取り組めるような新しい「食農教育」を展開し、自ら企画・宣伝・販売など意見交換しながら日々活動しています。
団体名「ラッポルティ」の語源はイタリア語で、「つながり」を意味しています。これからも地域の生産者と消費者をつなげ、安心・安全な野菜の提供を行い、「食農教育」を一歩一歩進めて行きます。