桐生商業高校には、ビジネス研究部という桐生の街の活性化を目的に作られた部活動があります。桐商出身の私はこの部の1期生で、現在は部顧問を担当しています。
結成当時は「生きた流通経済を学ぶ」をキャッチフレーズに「桐商ップ(キリショップ)」という食品・物産を売る店を開業し、営業活動をしていました。その頃、商店街に人通りが少なく、2月の極寒の空の下で呼び込みをしても人々は素通り。いらっしゃいませー」の声がむなしく響いたことを今でも覚えています。「なぜ人がいないのか。なぜ商品が売れないのか。もっと人を引き寄せられないか…」と切実に考えるようになりました。高校生によるお店の開業は県内初で前例が無く、当時、生徒会と部顧問を担当されていた岡田剛彦先生は本当に大変だっただろうと、今になって思います。
現在では、生徒と一丸となって桐生を盛り上げようと、市内の飲食店と共に商品開発を行っています。今年の夏休みまでは、群馬大生らから成るYieldの経営する「彩」(桐生市横山町)と、かき氷の共同開発をしました。生徒たちからは、「地元の人たちと交流を深め、桐生に愛着を持って高校生活の思い出を残すことができた」などの感想が聞かれ、貴重な経験をさせることができたと感じています。
また秋からは生徒からの発案で、桐生織りの端切れを用いた髪飾りの制作や「Googleマイビジネス」というアプリを用いた店舗紹介のお手伝いのほか、彩との新たな商品開発を実施予定。さらに将来は桐生の伝統文化とメディアアートを融合させた企画として、プロジェクションマッピングやドローンなど最新の技術を用いて、桐生の伝統を光りと音楽で表現。市内の多くの地域に観光客を市内の多くの地域に観光客を誘致する予定です。
これからも未来ある生徒たちと知恵を出し合いながら、光りと音楽で染め上げる桐生の町並みをいつかご覧いただき、夢と希望と感動を多くの人に与えられるような活動を、行っていきたいと思います。