目指すのは「食」ですべての人を幸せに「包」み込む企業(vol.208)

キャベツサイダーやキャベツゼリーに使うエキス用の芯を採取しているところ

私たち「みまつ食品」は、餃子・焼売などの中華点心を専門とする食品メーカーです。前橋市で営業を始めたのが1970年。夫婦2人で地元のお肉屋さんを中心に販売しておりました。今では有難いことに全国に向けて製造・販売を行っています。

生産数量が増えることは嬉しいのですが、同時に様々な理由で余ってしまい在庫になるという課題がありました。商品価値があるのに出荷できない在庫品は、ある一定の期間を過ぎると廃棄処分の対象に。数年前までは年間で数百キロも廃棄処分していました。

これを何とかしようと昨年9月、社内に「フードバンク推進」チームを設立。県内のこども食堂運営団体や児童養護施設への食品寄贈を開始し、現在では廃棄処分される在庫品はほとんどなくなりました。当社のフードバンク推進の特徴は、事業協定書を締結していただけば県内どこでも無償で配達すること。餃子や焼売だけではなく、当社の考えに賛同してくださる企業や当社従業員などから提供された乾麺や菓子など日持ちのする食料品のほか、洗剤や文房具などの日用品も届けます。この取り組みは提供先から喜ばれると同時に、食品ロスの低減にもつながっています。

食品ロス低減の面では、餃子の製造で大量に出るキャベツの芯を活用した商品の開発にも力を入れています。芯から抽出したエキスを使ったサイダーやゼリー、細かく裁断した芯を入れたソーセージなどを考案。また、看板商品「皇帝餃子」では、キャベツ洗浄システムの改良や製造工程の見直しを行い、美味しさはそのままに賞味期限を従来の約2倍に延長することを実現しました。賞味期限が長くなることで小売店側での賞味期限切れによる廃棄をなくすことができるのです。

これからも、社内全体でアイデアを出し合いながら、「食」ですべての人を幸せに「包」み込む企業を目指し、邁進していきたいと思っています。

みまつ食品 専務取締役

古澤 篤志さん

【略歴】1976年生まれ。伊勢崎市在住の1男1女の父。大学卒業後、㈱みまつ食品に入社。営業、開発、原料・資材調達、新規事業開発などを経て2019年より現職を務める。餃子の可能性を日々研究中。趣味はたい焼き屋さん巡り。

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