大量生産・大量消費にはできない逸品を!(vol.214)

羽鳥二三二工場長が中心になって製造する「じじかわバッグ」。カラフルで人気がある

私の勤める株式会社六本木商店は、前橋市昭和町で創業し、60年余り。主に林野庁(全国の森林管理署)や林業従事者向けの山林調査用具、帆布製収納袋の製造販売を行なっており、「作って売る」ことが強みの企業です。最近、3つのSDGs(持続可能な開発目標)に関する取り組みを始めました。

1つ目は、今年から新たに、一般向けのバッグの販売を始めたこと。製造部の中核を担う70代工場長の作る可愛いモノ=「じじかわ」がコンセプトです。今までも工場長の作る収納袋は丈夫で長持ちすると評判でした。自社製造品のため、修理ももちろん可能です。「10年程使いましたが、ほつれだけを直せますか?愛着があり、まだ使いたいので」。このようなのお問合せを良くいただきますが、一般向けも同様です。「物を大切にする」事はSDGsに関する取り組みでとても大事です。

2つ目は、製造時に排出される透明なビニールの廃材を利用して、工作ワークショップを開催したり、アクセサリー作りを考案しています。

3つ目は、林業に携わり、今の地球に起きている事、例えば年々過酷になる夏の異常な暑さなどを肌で感じている顧客の声に寄り添った商品開発を目指しています。「林業は文明が進んでも基本的には人の力が頼り。手と足で山へ入って行う業務」と聞きます。日々の仕事が円滑になるお手伝いをする事が我々の務めです。

まだ手探りではありますが、当社は小人数ながらも、全国から相談が入り、製造を受注しています。技術を持った職人がいる企業だと多くの人に知って頂ければ嬉しいです。魅力度の低い群馬県と言われますが、大量生産大量消費ではなく、末永く使える逸品をこれからも提供し続けたいです。

六本木商店
赤澤 薫さん

【略歴】1978年群馬県生まれ。株式会社六本木商店業務部所属、SNS担当。趣味はフルート、モータースポーツの観戦と撮影。M-StyleRibbonClass®️認定講師。リボンマイスター
インスタグラム @roppongisyooten

掲載内容のコピーはできません。