刻一刻と変わる山の色・美しい里山の風景・そこら中にある温泉。初めて中之条ビエンナーレに参加した5年前、日本にこんな素晴らしい場所があったなんて、と感動した。
昨年移住してからは、吾妻という地域で現在進行形で起こっているダイナミックな流れにワクワクしている。近年、この辺りは移住者が徐々に増えてきており、古い建物をリノベーションしてお店を開くなど新しい風が吹き始めている。私も運営に携わっている、彫刻家・西島雄志さんのギャラリーnewrollは、様々な作家の展覧会を開催し、アートと地域を結ぶ場所の一つとなりつつある。
23日からは四万温泉で温泉郷クラフトシアター2022が始まる。クラフトシアターは作家のものづくりを体験できるイベントで、多様なワークショップに参加できる貴重な機会だ。また、現在中之条町の旧廣盛酒造では、現代美術の展覧会「押入れ百貨展」も開催されている。今年11月には中之条町にて移住作家の美術展「拝啓、うつり住みまして」が開催され、そのタイミングで近隣のギャラリーでもいくつか展覧会が予定されている。吾妻にはアートに触れる場所がたくさんできてきている。
私は接着剤を使って『細胞』と呼ぶものを作り、それを用いて作品にしている。『細胞』はフィリピンに住んでいる時、制作中に生まれ、実験を繰り返して今の形になった。『細胞』の魅力は、絵具が生き物のように自由に模様を形成するところにある。緑の少ない新興国の都会で、『細胞』は目に見えない生物を可視化できたような喜びがあった。
アートと自然が融合する土地で、細胞が今後どんな発展をしていくのか自分でも楽しみである。
山形敦子HP: https://atsukoyamagata.com/
温泉郷クラフトシアター2022 https://onsenkyo-craft-theater.jimdosite.com/
ギャラリーnewroll http://gallery-newroll.com/